2002年4月に発売され宮古島で大ベストセラーになった「読めば宮古」。そんな話が伊良部にもたくさんあります。まるよしで夜な夜な語られる伊良部の話を紹介します。
「読めば宮古」は今でも宮古島の書店で販売しています。


【伊良部の自然】
【2023年10月までのまとめ記事です。最新のよもやま話はこちらから】


<ホタル>
伊良部では一年中ホタルが見られます。
伊良部の人にとって海が綺麗なのが当たり前のように、ホタルがいるのは特別な事ではありません。
そんな訳で内地の様にホタル観察会などは開催されません。
内地で見られるゲンジボタルやヘイケボタルと違って陸生の森のホタルです。
幼虫を良く見るとグロテスクという人もいますが、一生懸命灯りを点滅させています。
ちなみに幼虫はカタツムリなどを食べているそうです。
まるよしの近くでも見る事ができます。(2016.04.21)



<ホタルと星空>
以前、関西から来た昔のお嬢様方がホタルを見たいと言ったので、管制塔近くの暗い道に案内しました。
その日は幸運にもホタルが乱舞。空には満天の星空がひろがり、昼間のぬくもりが残る道路に寝転がってホタルと星空の競演を満喫しました。
お嬢様方も嬌声あげて大変満足されたようです。
それ以降そんな幸運な話はあまり聞きませんが是非また見たいものです。(2016.05.01)



<駐車場のホタル>
ホタルを見ようと夕食後に探検に出かけたHさんはあちこち散々歩いた末、努力むなしくホタルを見る事ができずに帰って参りました。
ところがまるよしに戻って駐車場で草むらに眼を凝らすと数匹の幼虫が灯りを点滅させていました。
急がば回れ。灯台下暗し。努力した者は報われる。
頑張れば何か良いことがあるものですね。(2016.05.21)



<イタチ>
宮古諸島の外来種 (723x1024)伊良部島・下地島の道を走っているとリスのような小動物がいきなり道を横切ります。
リスではありません、イタチです。
沖縄本島のハブ対策にマングースが放されたように、サトウキビをかじるネズミ対策で放されたニホンイタチだそうです。
ニホンイタチは国内由来の外来種で、宮古諸島ではイタチの餌となるヘビ・トカゲ類、昆虫が減っていると心配されているそうです。
その辺の事情は環境省那覇自然環境事務所が発行した「宮古諸島の外来種」というパンフレットに載っています。
「宮古諸島の外来種」は環境省那覇自然環境事務所のウェブページでもご覧になれます。ダウンロードこちらから。(2015.12.09)



<アフリカマイマイ>
アフリカマイマイは15㎝にもなる外来種のカタツムリです。
直に触ったり、アフリカマイマイが触れた野菜などを生食すると寄生虫に感染して死ぬ事もあるそうです。
昔、伊良部で道を埋め尽くすほど大量発生した時はたくさん採って茹でて食べたそうです。
バイガイより美味しいという人もいます。
インドネシア産のエスカルゴの缶詰めは大概はアフリカマイマイだそうです。
伊良部の子供たちは知らず知らずに高級料理のエスカルゴを食べていたのです。
アフリカマイマイについては「宮古諸島の外来種」にも載っています。(2016.01.27)



<サシバの留鳥>
渡り鳥のサシバですが伊良部に住みつくものもいます。
サシバの留鳥と言うそうです。
渡口付近やゴルフ場、下地島の入り江あたりで空を舞うことがあります。
渡るのに疲れたのか、面倒くさいのか、よっぽど伊良部が気に入ったのか、鳥にも性格が色々あるようです。
サシバの留鳥のように旅の途中で伊良部に住みついてしまった人もいます。(2015.12.14)



<スズメ>
伊良部の朝は鳥の声でにぎやかです。
代表はスズメのさえずりです。電線や軒先でチュンチュンうるさいくらいおしゃべりをしています。
普段は10数羽ですが、餌がある時は100羽以上います。
都会のスズメは核家族で他の家族と餌の奪い合いをしていますが、伊良部のスズメは親戚一同集合して仲良く食べています。
まるで人間社会を映しているようです。
まるよしの駐車場には巣箱が置かれていて、子育ての季節になるとスズメが巣作りします。(2015.12.30)



<イソヒヨドリ>
伊良部の朝、スズメのさえずりの合間に美しい声が聞こえてきます。
声の主はイソヒヨドリです。
ヒヨドリより一回り小振りで美しい羽根をしています。
ヒヨドリは都会ではギャング扱いですが、こちらのイソヒヨドリは態度は控えめで綺麗な姿をしています。
佐和田の浜など海岸線で良く見かけます。(2016.01.01)



<伊良部の夕日>
下地島では絶好の夕日ポイントが幾つかあります。
有名どころでは佐和田の浜があります。
夏場は奇岩の先の下地島空港に日が沈みます。
落ちる夕日が海に反射する様子と奇岩のシルエットの景色が幻想的です。
秋口は下地島空港の先に沈みます。夕日の頃になると滑走路の外周道路にはどこからともなく人が集まってきます。
橋が架かってからは宮古島から見物に来るようになりました。
通り池の休憩所から海に沈む夕日も綺麗です。
冬場は沈む場所も変わって渡口の浜付近からも良いポイントになります。(2016.01.31)
下地島空港夕日 (1024x682)



<伊良部の星空>
伊良部島では感動的な星空が見られますが、流星群が見られる時期は更に凄いことになります。
オリオン座流星群、しし座流星群、ペルセウス座流星群などとニュースで言っていたら、酔っていても外に出て夜空を見上げて下さい。
首が疲れたら道路に寝転んでも大丈夫です。
天の川をまたいでアチコチで流れ星が飛び交います。
1時間で10個以上見られる事もあります。
流れ星をたくさん見られる事に感激する余り、その度願い事を忘れてしまいます。(2016.02.18)



<ヤシガニ>
まるよしに通うHさんとYさんは夕食後、ヤシガニ捕りに下地島に遠征に出かけてすったもんだの末、見事捕獲に成功しました。
捕獲されたヤシガニはその夜、蓋に重いブロックを乗せたポリバケツに入れられてまるよしの裏手に置かれました。
一夜明けて翌日見に行くとヤッシーはブロックをものともせず逃亡していました。
しばらく飼育する計画で名前まで付けたのに残念でした。
どこかの誰かが鍋に入れたという疑惑は残りましたが、ヤシガニの力恐るべしとしておきます。
宮古島市ヤシガニ保護条例が出来るずっと前の話です。(2016.02.24)
ヤシガニ01 (1024x691)



<ヤシガニ保護条例>
伊良部でマクガン(ヤシガニのこと)を捕ってはいけない場所があります。
お墓や焼き場の近く、御嶽付近では地元の人は誰も取りません。ご先祖様が姿を変えてくると考えられることもあります。
下地島はどこでも大丈夫だそうです。
ただし、現在は宮古島市ヤシガニ保護条例で捕獲禁止の時期や場所などが指定されています。
宮古島ではヤシガニ料理の登り旗がたっていますが、そのヤシガニはどこから来るのでしょう?(2016.02.26)
ヤシガニ看板 (1024x760)




<白砂海岸>
宮古諸島には白砂が美しい海岸がたくさんあります。
来間島の長間浜、宮古島の前浜が有名ですが、伊良部島では渡口の浜が代表的な白砂の海岸です。
手の平を砂に押し付けてくっついた砂を見るとサンゴの欠片や小さな巻貝や星砂・太陽の砂などが見られます。
宮古諸島には川が無いため、内地の様に川から流れ出た山砂はありません。
裸足で歩いても熱くならないのはそのためです。
山砂に含まれる鉄分が無いからだそうです。
是非裸足で歩いてみて下さい。(2016.03.01)
渡口の浜 (1024x768)



<クモガイ>
宮古島の市の貝はスイジガイです。
大きさは15~20cmほどで、漢字の水の字に似ているのでその名がついたそうです。
魔除けとして家の入り口の石垣などにつるしてあります。
スイジガイの仲間にクモガイがあります。
クモガイも魔除けとして使われる場合があります。
一般的には食用にはしないようですが、茹でて殻を割って食べたり、身を引っかきだしてポン酢で食べたりすることもあるそうです。
サザエより美味しいという人もいます。
クモガイも以前はたくさん捕れましたが、最近は数も減ったようです。
サンゴのガレバに眼を凝らすと見つけられるかもしれません。(2016.03.05)
クモガイ01 (1024x692)



<島ダコ>
伊良部の海ではタコがよく見られます。
サバウツガーの海では地元の漁師がタコ漁をしています。
下地島のビーチにはカラフルな魚やサンゴを見にシュノーケルをする人がたくさん来ますが、下地の海にもタコがいます。
擬態しているので簡単には見つけられませんが、じっと見ていると解かるようになります。
橋が架かるずいぶん前、中の島でタコを発見したHさんはすかさず潜るとサンゴの隙間に逃げ込む直前に手づかみで捕まえました。
本人は今晩の酒の肴が出来たと喜んでいたようですが、ハマに戻る途中に墨は吐かれるは、足を首に巻きつけられるは、散々抵抗されて結局逃げられてしまいました。
その一部始終を見ていた友人はHさんがタコを捕まえたのではなく、タコに襲われたのだと思っていたそうです。
大分古いですがテンタクルスみたいな話でした。(2016.03.21)



<クワズイモ>
クワズイモの葉はサトイモのような形をしていて、大きなものは傘にして人が入れる位になります。
鳥獣戯画にも僧侶の上に葉っぱの傘を掲げる蛙がいます。
絵本では子供が大きな葉っぱを傘にしています。
まるでまんが日本昔話やトトロの世界です。
クワズイモは毒性があるためその名のとおり食べることはできません。
モノの本によると切り口からでる汁にも手を触れないほうが良いそうです。
観葉植物にもなっているので見るだけにしておきましょう。
下地島の一周道路には巨大な葉っぱがたくさん見られます。(2016.04.02)
クワズイモ (1024x657)



<ゴマモンガラ>
下地島の浜で潜るとかなりの確率でゴマモンガラに出会います。
カワハギの一種ですが50㎝以上はあるでしょうか、水中で見るとさらに大きく見えます。
顔つきが凶暴で怖いお兄さんがガンを飛ばしているように見えます。
縦になったり横になったりしながら水底の岩をひっくり返して貝を探したり、鋭い歯でサンゴをがつがつかじっています。
伊良部島に通うМさんはゴマモンガラに追いかけられたトラウマで見かけるとすぐに逃げます。
後日テレビの番組で、繁殖期には攻撃的になって巣に近づいた場合などに人に向かってくることがわかりました。子育ては大変だと思い怖い顔にも愛着をもちました。(2016.05.21)
20160521ゴマモンガラ02 (1024x692)



<モクマオウ>
伊良部島、下地島にはモクマオウの木があります。
元来は南方の木で伊良部では植林されたものが野生化したそうです。
サシバの渡りの頃はサシバが羽を休めます。
漢字だと木麻黄と書くらしいですが、モクマオウも夕方から夜にみると木魔王の漢字が似合いそうなシルエットです。
内地で見られる強風で曲がりくねったカイヅカイブキも不気味な形でスリーピーホロウの世界ですが、モクマオウを背景にヤエヤマオオコウモリが飛ぶとドラキュラの世界になります。(2016.05.26)
モクマオウ01 (1024x691)



<タカラガイ>
潮が引くとサンゴや岩の間に色々な貝が見られます。
そのなかでも美しいのがタカラガイです。
伊良部島、下地島の海ではキイロダカラ、ハナビラダカラ、ハナマルユキダカラが良く見られます。
浜辺に打ち上げられたタカラガイは波に洗われて輝きを失っていますが、独特の形でビーチコーミングでは人気があります。
生きているタカラガイは神秘の光沢を放っています。海の宝石といわれる理由です。
特にキイロダカラは幸せを呼ぶと言われ、人気があります。
今は数も減りましたが、数十年前は潮が引くとあちこちで見つけられたそうです。(2016.06.29)
タカラガイ01 (1024x691)



<ダツ>
旧暦6月1日と7月1日の大潮の頃スクがイノーに入って来ます。
スクはアイゴの稚魚の事で、イノーとはリーフに囲まれた池のような浅い海の事を言います。
藻を食べる前のスクは美味で、昔から寄りものとして海からの贈り物と言われています。
塩漬けにしたスクはお酒のツマミのスクガラスとして知られています。
同じ頃、イワシやキビナゴの幼魚の群れも浜に入ってきます。
それらの小魚を狙ってダツも浅瀬に入って水面近くを旋回します。
ダツはうろこがキラキラ光るのを目がけて鋭い口で襲ってきます。
金属のネックレスをして海に入っていた女性が喉もとを突き刺されたことがあるそうです。
海に入るときは光物は避けましょう。
夜海に入るときも、ライトは上に向けておかないとダツに襲われるそうです。
ダツは食用にもなるそうですが、美味しいという人とそうでない人に分かれます。(2016.07.19)



<クマゼミ>
梅雨明けを知らせるようにクマゼミがなき始めます。
7月の暑い盛りは大合唱になります。
遅い夜が明けて陽が昇ると共に鳴き始めると、朝の連続テレビ小説が始まる頃はシャーシャーとうるさいぐらいに鳴いてテレビのボリュームを上げさせます。
ところが、セミも暑さ負けするのでしょうか?不思議な事に昼を過ぎるとおとなしくなって行きます。
朝ドラはお昼の再放送を見る方が良さそうです。(2016.07.22)



<ドラゴンフルーツ>
まるよしの駐車場にドラゴンフルーツの木があります。
6月から7月に掛けてと11月頃に年に2度花を咲かせます。
月下美人の花とそっくりの美しい花です。
花は夜に咲き、日が昇るとしおれて行きます。
不思議な事に花は同じ日に一斉に咲いて、夜から明け方のわずかな時間に昆虫が集まってきて受粉します。受粉した実は一月ほどで美味しく食べられるようになります。
伊良部島を散歩して良く見てみるとドラゴンフルーツの木はあちこちに見られます。(2016.07.28)
ドラゴンフルーツの花01 (1024x691)



<季節風>
フナウサギバナタから海を眺めると右手に難破船がみえます。
2013年1月に座礁したモンゴル船籍の小型タンカーだそうです。
乗組員に犠牲者もでた痛ましい事故ですが、この時期は定期船も欠航するほどの強い北風が吹きます。改めて冬の季節風の強さを思い起こさせます。
3年半を経過した難破船は朽ちて姿が小さくなっています。(2016.12.09)
難破船 (889x533)



<ヤエヤマオオコウモリ>
陽が落ちて夕闇が迫ると大きな鳥が飛び交い始めます。
よく見ると鳥ではありません、コウモリです。
都会でも森が近くにある場所ではコウモリを見かける事が有りますが、伊良部のコウモリは巨大です。
伊良部島のコウモリは宮古諸島を含む南西諸島に生息しているヤエヤマオオコウモリという大型のコウモリです。
羽を広げると60㎝にもなると物の本に書いて有りますが、実際はもっと大きく見えます。
コウモリと言えば洞窟を思い浮かべますが、洞窟内には棲まず、普段は木の枝などに止まっています。
夜行性で夕方から夜にかけて主にイヌビワなどの果実や花,葉などを食べているそうです。
よく見るとまるよしの近くの電線や木の枝にぶら下がっています。月夜にバサバサと飛ぶ姿はまるで映画のようです。(2016.12.22)



<絶景ポイント>
宮古諸島は8島ですが、それぞれの島に数多くの絶景ポイントがあります。
そのなかで宮古島・池間島・来間島・伊良部島・下地島の5島は橋で繋がり、宮古島を訪れる人は簡単に絶景ポイントを訪れることができます。
伊良部島でも牧山展望台から見る伊良部大橋、サバ沖井戸や三角点からの海の展望、渡口の浜の白砂や入り江の美しさなど絶景ポイントは挙げればキリがありません。
そんな中でも下地島空港の誘導灯付近の海はエメラルドグリーンからマリンブルーまでの様々な色がグラデーションとなって、この世のものとは思われないほどの美しさです。
島の人たちも下地島空港の景色が皆大好きで、ドライブコースになっています。
異論はあるかと思いますが、宮古島の東平安名崎の灯台から眺めるパノラマの絶景、来間島の竜宮城展望台から臨む白砂の前浜などと共に宮古5島の絶景ベスト5にランクインするのではないでしょうか。
そうしているうちに、火野正平のこころ旅でも下地島空港の絶景が取り上げられました。
これで全国区になった下地島空港付近は混雑が予想されます。
宮古島に来られる方は是非お寄りください。
風の弱い波の静かな引き潮の時がより綺麗ですよ。(2016.12.26)
下地島空港 (1024x576)
東平安名崎 (1024x575)
来間からの前浜 (1024x576)



<伊良部の夕焼け>
伊良部島では夕日が綺麗に見えるポイントが数多くありますが、夕焼けのポイントもたくさんあります。
夕日の絶景ポイントと夕焼けのポイントは一致する場合が多いですが、必ずしも一致するとは限りません。
夕日を見に下地島空港や佐和田の浜や西海岸に行っても、残念ながら綺麗な夕日が見れない時もあります。
でも諦めては行けません。太陽が海に沈まなくても、空を染める夕焼けが見られる時があります。
特に雲を染める夕焼けは息をのむ美しさです。
海からの帰り道に空を見上げてみてください。
そんなポイントのひとつに入江の夕焼けがあります。(2017.02.19)
入江の夕焼け (1024x680)



<デイゴ>
宮古島の花木はデイゴです。花木のほかに市の花はブーゲンビレア、市の樹木はガジュマルが指定されています。
デイゴは春から初夏にかけて咲く花ですが、県の花にもなっていて、名曲「島唄」の中でも歌われています。
先日(2017年2月21日)のニュースで伊良部島でデイゴが咲いたと放送されていましたが、映像を見ると平成の森公園に隣接するB&Gのデイゴでした。
2月は北風が強く寒い日が続いていましたが、春の訪れが感じられる頃になりました。
デイゴの花は伊良部島などの先島諸島から咲き始め、沖縄県全体に広がって行きます。
花はまだ一分から二分咲きですが、4月から5月にかけて最盛期をむかえます。
これから伊良部島を訪れる方は是非訪れてみてくださいね。(2017.03.08)
デイゴ (1024x689)



<伊良部の花>
温暖な伊良部では一年中花が咲いています。
沖縄の花と言えばハイビスカス、ブーゲンビリア、デイゴなどがすぐ浮かびますが、ユウナ、トックリキワダなども綺麗な花を咲かせます。
7月と11月頃にはドラゴンフルーツが一夜限りの美しい花を咲かせます。
そんなメジャーな花以外にも数多くの花があります。
特に春からうりずんの頃にはあちこちに咲き乱れます。
車で移動するとそんな花もつい見落としがちです。時間と気持ちに余裕のある方は伊良部の道を歩いてみて下さい。
道端には名前もわからない野の花がひっそりと誇らしげに咲いています。(2017.03.20)
伊良部の花01 (1024x691)
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<マングローブ>
マングローブと言えば西表島を思い浮かべますが、宮古島にもあります。
ガイドブックに載っている島尻や川満のマングローブ園は遊歩道も整備されて観光地のひとつになっています。
遊歩道は有りませんが、マングローブは伊良部島にもちゃんとあります。
伊良部のマングローブは伊良部島と下地島の間の入江によく見られます。
マングローブの入江にはガザミが生息しています。ガザミはワタリガニと呼ばれ食用になりますが、好き嫌いがあるようです。
たいこばし付近から見るマングローブは美しく、夕焼けを見る絶好のポイントになっています。(2017.04.05)
マングローブ (1024x684)



<ヤシガニ捕り>
現在、ヤシガニの捕獲は条例で禁止や制限がされていますが、以前は自由に捕ることが出来ました。
捕まえて宮古島の料理屋に売る事もあったそうです。
昔は橋もなく船の時代なので夜の間は人の往来も少なく、捕る数もたかが知れていました。
そんな頃、ヤシガニ探しに余念のないHさんとSさんはヤシガニが徘徊しそうな夜は好きなお酒も我慢して一周道路をゆっくり車を走らせます。
ライトに浮かぶヤシガニの姿は巨大です。興奮したHさんは鼻から煙をはく勢いで車から降ります。Yさんが後ろから忍び寄ってハサミに挟まれないように捕まえます。
ヤシガニのハサミはブロックも砕くほどと言われています。指をちぎられた人もいるそうです。
そんなヤシガニも今は絶滅危惧種に指定されているほど数は減っているようです。
万が一遭遇しても観察するだけにしてくださいね。(2017.05.07)
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<伊良部の蝶>
伊良部島には数多くの花が咲きますが、そんな花に誘われて蝶がたくさん舞います。
一年中花が咲くので蝶も一年中います。
暖かくなると色々な花が咲き乱れるので、それに釣られて蝶も乱舞します。
宮古島市の市蝶オオゴマダラをはじめアサギマダラ、アオスジアゲハなどが飛び交います。
下地島の一周道路にはスジグロカバマダラがよく見られます。伊良部の道を歩くと後を追うように舞う事もあります。
ドライブも楽しいですが、是非ゆっくり歩いてみてくださいね。思わぬ発見があるかもしれません。(2017.05.27)
スジクロカバマダラ (1024x694)



<ハチジョウダカラ>
伊良部島の海岸には色々な貝が生息していますが、その中でもタカラガイは天然の美しい輝きを放ちます。海の宝石と言われる理由です。
初めてタカラガイを見てその神秘の輝きに心を奪われる人も多いようです。
最近は数も減ってきたとの事ですが、代表的なハナビラダカラ、キイロダカラ、ハナマルユキはまだ見つかるようです。
そんな中でハチジョウダカラというタカラガイがあります。
大きいものでは10cmにもなる大型のタカラガイで陶器製のように美しく、黒い深遠な輝きを放ちます。
その形から「子安貝」といって安産のお守りにもなっているそうです。
常に新鮮な海水が出入りするサンゴ岩の亀裂のくぼみなどに生息します。
興味のある方は探してみてください。運が良ければお宝をゲット出来ますよ。(2017.06.12)
ハチジョウダカラ (1024x692)



<モンパノキ>
宮古島、伊良部島の海岸にはモンパノキが自生しています。
モンパノキの下はビーチで日陰になって良い休憩所になります。
昔からモンパノキは柔らかくて加工がしやすく、乾燥しても変形しづらいため、水中眼鏡やゴーグルに使われていたそうです。
モンパノキの葉っぱは水中眼鏡の曇り止めにも効果があります。
葉っぱを取って半分に折って、葉っぱから出る汁をガラスに塗ります。
いつもはツバをペッペッと吐いて曇り止めにしている人も、市販の曇り止めを忘れた人も一度お試しください。(2017.06.20)
20170620モンパノキ



<テッポウユリ>
宮古島を代表する花の一つにテッポウユリが有ります。
テッポウユリは南西諸島や九州南部が原産だそうで、ラッパのような美しい白い花が特徴です。
東平安名崎にはテッポウユリの群落が有って季節になると一面に花を咲かせます。
もともと自生していたものに補植したものだそうです。
伊良部島では群落は見かけない様ですが、あちらこちらで「あれっこんな所に」という場所に咲いています。
下地島の一周道路でも可憐な花を見ることができます。
本来はトライアスロンの頃が盛りの様ですが、今の時期(2017年6月)でもチラホラ見られます。
まるよしでも駐車場で美しい花を咲かせます。(2017.06.28)
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<ウクバナリジィ>
白鳥崎の近くに離れ島が有ります。ウクバナリジィと呼ばれています。
大きな離れた岩と言う意味だそうです。
ウクは大きな、バナリは離れた、ジイは岩の事でこのあたりのビーチをそのように呼ぶそうです。
ウクバナリジィとリーフの間は潮の流れが有って、空港の誘導灯の沖に流されると言います。
リーフまで続く遠浅のビーチで点在する珊瑚に綺麗な魚が見られるますが、海を楽しむなら干潮時の潮の動きがあまり無い時が良さそうです。
ネッシーを見たことは有りませんが、ウクバナリジイを下地島の飛行場の方から見ると、ネッシーのように見えると言う人もいます。(2017.07.26)
ウクバナリジイ (1024x750) ウクバナリジイのビーチ (1024x752)



<スイミングホール>
ピサピシの右奥に直径30m程の深みが有ります。
勝手にスイミングホールと呼んでいます。
伊良部島・下地島には陸地、海中を問わずによく有る地形ですが、ピサピシの名前の通り平らなリーフが広々と拡がる地形に忽然と現れる深みには新鮮な驚きが有ります。
当然浅いリーフに見られる魚と種類も異なり珊瑚の景色も変わります。
ブルーの深みの色を楽しみながら泳ぐと貸切プールのような贅沢感を味わえます。
潮が引きすぎるとたどり着けませんが、波の無い潮の動きが少ない時間帯が絶好のコンディションです。(2017.07.30)
20170730スイミングホール (1024x691)



<アダン>
沖縄で良く見られる植物にアダンがあります。
パイナップルに間違える観光客の方も多いようですが、パイナップルは下から伸びた花が果実に成るのに対し、アダンの実は木からぶら下がるように成ります。
植物の分類からみてもまったくの別物でアダンはタコノキ科に属すそうです。
ちなみにパイナップルはパイナップル科です。
アダンの実はヤシガニの好物として知られていますが、熟すとオレンジ色になり甘い香りを放ちます。
アダンの実を食用としている国もあるようですが、伊良部島では食べられていないようです。
熟したアダンの実が散乱している場所をチェックしておくと夜のヤシガニ探しに役立ちます。
昼でもオカヤドカリやヤドカリが集まってきています。
アダンは海岸付近に自生していて、隠れビーチにつながる道をトゲのある葉で塞いでしまいます。(2017.08.27)
アダン02 (1024x691)



<タコノキ>
伊良部島の海岸付近にはアダンが自生していますが、アダンと良く似た木にタコノキがあります。
タコノキは小笠原諸島特産ですが、宮古島や伊良部島でも見る事ができます。
ちなみにアダンはタコノキ科の植物です。
強風から守るためにタコのように何本も根を伸ばして支えるためそのように呼ばれるそうです。
タコノキにはたくさんの種類があるそうで、伊良部島で見られるタコノキの中には巨大な松ぼっくりのような実を付ける木もあります。
アダンとタコノキは近縁種だそうで、アダンの実が熟すとオレンジ色になるようにタコノキの実もオレンジに熟すそうです。
まるよしにも出没する千葉のSさんが小笠原に行った時に、タコノキの実を漬けたお酒を飲んだそうです。大変美味しかったそうなので、アダンも漬ければ伊良部の特産品になるかもしれません。
伊良部島でタコノキは街路樹やゴルフ場の植栽で見られますが、アダンと同じように自生しているかどうかは不明です。(2017.08.31)
タコノキ01 (1024x692)



<青パパイヤ>
トロピカルフルーツと知られるフルーツの一つにパパイヤが有ります。
伊良部島にもあちこちにあって庭や畑に普通に生えています。
熟して果物として食べるのが良く知られていますが、沖縄では完熟前に青パパイヤとして野菜で食べます。
果物として美味しく食べる木と青パパイヤとして野菜として食べる木は幹の色が微妙に異なるという話もあります。
栄養満点の青パパイヤはパパイヤチャンプルとして美味しく食べられますが、まるよしでも人気メニューの一つになっています。
最近は手間を掛けるのが面倒なのか、既にカットされた料理用のパパイヤがスーパーで売られています。
パパイヤを採った後は幹にハート型のマークが残ります。(2017.09.28)
青パパイヤ (1024x692)



<ヤドカリ>
伊良部ではヤドカリの事をアマンと言います。
南国の景色にはコバルトブルーの海に付き物で沖縄を紹介する番組には必ずと言って良いほど海岸を歩くヤドカリが登場します。
朝ドラのちゅらさんのオープニングにも登場していました。
伊良部島・下地島のビーチにも数多くのヤドカリがいます。
ビーチでじっとしていると、そこらじゅうの貝殻が動き始めます。
アダンやモンパノキの下ではガサゴソうるさいぐらいです。
そんなヤドカリは伊良部では釣り餌に最高です。
市販の釣り餌よりヤドカリを餌にした方が良く釣れるそうです。
伊良部の子供たちは餌を仕掛けて置いて、夜懐中電灯を持って餌に集まるヤドカリを捕まえます。(2017.10.18)
20171018ヤドカリ (1024x749)



<ウミガメ大集合>
寒露の頃(二十四節気の一つで10月8日頃)が過ぎると、夏の南東季節風に代わって北東季節風が吹き出すようになります。
今年は台風21号が去った10月20日頃から空気が秋に入れ替わりました。
台風の吹き返しの強烈な北よりの風で海が荒れると、伊良部島の北側のリーフの内側には避難するようにウミガメが入って来ます。
普段でもウミガメが見れる絶景スポットと言われる「三角点」とか「イグアナ岩」と呼ばれているポイントでは、ウミガメの目撃率が更に高くなります。
立て続けに来た台風22号が去った後の10月終わりには、21号の後より強い北西からの吹き返しの風が吹きました。
絶景ポイントでは遮る物が無いため、立っていられないほどの超強風です。
そんな日にはウミガメも台風対策をするのか、波が比較的弱い安全な場所に集結するようです。
ポイントを訪れるとビックリする位たくさんのウミガメが、まるで集合しているのかのような光景を見れる事があります。
海が荒れてマリンレジャーが出来ない時はウミガメ探しも楽しいかもしれません。
ただし安全には最大限の配慮をしてください。(2017.10.30)
20171030イグアナ岩のウミガメ01 (1024x690)
20171030イグアナ岩のウミガメ02 (1024x691)
20171030イグアナ岩のウミガメ03



<がけ崩れ>
伊良部島や下地島の海岸にはサンゴ岩が波に洗われて出来た洞窟やオーバーハングした場所が至る所にあります。長い時間の中で、強風や高波で作られた自然の造形美です。
2011年5月の台風では中の島海岸のがけが崩れました。隣のハマと繋がっていた洞窟も危険で通れなくなりました。
そんなに強い台風ではなかったようですが、長年の劣化の影響でしょうか。岩肌がまだ新しい色で残っています。
真夏の海岸では強烈な日差しを避けるためサンゴ岩の下の日陰に退避しますが、上を見上げると崩れそうでチョット怖いです。(2017.11.19)
中の島がけ崩れ02 (1024x690)



<ミヤコカナヘビ>
伊良部島の道路をドライブすると日常的にイタチを目撃します。
一見リスに似ていますが、時にはネズミを咥えていることもあります。
そもそも伊良部島には居なかったものですが、サトウキビなどの農作物に被害を出すクマネズミ駆除に効果があるとして沖縄の各地に導入されたニホンイタチです。
宮古諸島には最多の4540匹が1960年からから1970年にかけて導入されたそうです。
伊良部島ではイタチのためにサトウキビ畑の一角にイタチの水飲み場まで造られました。
昨年度からの沖縄県が行った調査ではミヤコカナヘビがニホンイタチに食べられる被害が確認されたそうです。
ミヤコカナヘビを見たことはありませんが、宮古島とその周辺の離島のみに生息する全長およそ30センチの緑色をしたトカゲの仲間で、環境省のレッドリストで絶滅の可能性が最も高い「絶滅危惧1A類」に指定されているそうです。
県では「野外でミヤコカナヘビを発見するのが難しくなっている中で、ニホンイタチの高い捕食能力が示された。
ハブ駆除のため持ち込まれたマングースと似ており、宮古諸島の生態系保全にはイタチ対策が重要だ」として、今年度は駆除などの対策を強化することにしています。
実際今年の夏には、伊良部島・下地島にもイタチの捕獲器が設置されました。
人間に翻弄されたイタチには可哀想ですが、ミヤコカナヘビの元気な姿が復活して欲しいものです。(2017.12.22)
イタチ生息調査 (1024x690)  イタチ生息調査02 (1024x690)



<スイジガイ>
宮古島の市の貝はスイジガイです。
角が6本有って漢字の「水」の字に見えることから水字貝と呼ばれます。
沖縄の島々では、サンゴの石垣が積まれた各家の塀には魔物の侵入を防ぐ石碑として知られる石敢當と共に魔よけとして吊るされています。
伊良部島の各家は今ではコンクリートやブロック積みの塀も多くなりましたが、スイジガイを吊るしている家が多いようです。
スイジガイと同じようにクモガイを吊るしている家もあります。
宮古島市の総合博物館の入り口付近にもスイジガイとクモガイが吊るしてあります。
スイジガイもクモガイと同じようにサンゴのガレバや付近の砂地に見られますが、クモガイ同様最近はめっきり数が減ったようです。(2018.03.16)
スイジガイ01 (729x1024) スイジガイ02 (737x1024)



<伊良部の梅雨>
沖縄を含む南西諸島では5月の連休が終わる頃から梅雨に入り、6月20日過ぎに明けるのが一般的です。
宮古諸島や八重山諸島ではそれより数日早くなる事もあります。
梅雨と言うと観光シーズンからはずれ、旅行等の計画を避ける方が多いようですが、伊良部島の梅雨のイメージは内地のそれとは少し異なります。
確かに内地の梅雨のイメージ通り低い雨雲がたれ込めジメジメした日もありますが、伊良部島ではそのような日は多くはありません。
天気予報に雨マークが付いていても、日の差す時間帯は有ります。
熱帯のスコールのような通り雨のあとには、数時間の真夏の晴れ間が広がります。
そんな時にビーチに行くと貸し切りのようなお得感を味わえます。
今時は雨雲レーダーが発達しているので、「この雲が抜けると3時間は大丈夫だ」と雨雲の動きに合わせて海に向かう人もいます。
中には「天気も自然のうち」と気にせず海に入る人もいます。
雨が降っていても海水温は十分高いので問題はありません。
そんな訳で梅雨時に旅行計画を迷っている方は、思い切って実行して見ましょう。
雨に降られても虹を見れる確率が高くなったと考えてはいかがですか?
ただし、たまにはずーと毎日雨に降られる場合もあります。
そんな時はまるよしの料理と島酒でうさを晴らしてください。(2018.03.20)



<ウミガメ>
宮古諸島周辺の海ではウミガメが良く目撃されますが、伊良部島・下地島周辺でもよく見られます。
伊良部島の北側の絶壁の下のシンビジの海はウミガメの通り道になっていて、フナウサギバナタや三角点と呼ばれている絶景ポイントで下を覗くと高い確率で見られます。
最近ではイグアナ岩と呼ばれるポイントでも見る事ができます。
ただし高所恐怖症の方にはちょっとキビシイでしょうか。
宮古島のシギラビーチではウミガメと泳ぐツアーが人気です。
近くのわいわいビーチでもかなりの確率でウミガメと一緒に泳げます。
下地島でもピサラブのドロップオフによく現れると言われています。
毎年まるよしに通うYさんは中の島海岸のリーフの中でウミガメと一緒に泳いだ経験があります。シュノーケルする人には夢のような体験です。
小潮の満潮時が狙い目だそうですが、体験できたらラッキーですね。
ただしウミガメを見つけて夢中になっても安全対策は忘れないでください。(2018.05.03)
20180503ウミガメ (1024x692)



<プゥル>
下地島にはビーチがたくさん有りますが、橋が架かってからは宮古島からのマリンレジャーの業者さんもたくさん来るようになりました。
中の島ビーチなどのメジャーなビーチは人があふれ、勝手はヒッソリとしていたビーチにも人が入るようになりました。
農作業の軽トラックしか入らなかった道も雑草が刈られゴミを捨てないように注意看板が設置されています。
そんなビーチの一つにプゥルが有ります。
潮が常に出入りするプゥルの珊瑚は綺麗に生き残り、珊瑚に群がる魚も数多くいます。
下地島のビーチでも最後の生き残りの一つです。深みには綺麗な岩珊瑚が数多く有り、色とりどりの魚が泳ぎ、シャコ貝も豊富です。
大潮の干潮時には地元の人が魚釣りや潮干狩りにやって来ます。
まるよしのスタッフのNさんもミガルという貝を採りに来ます。
最近はマリンレジャーのガイドさんもちょくちょくお客さんを案内してくるようですが、是非生き残り続けて欲しいものです。(2018.05.07)
プゥル (1024x690)



<ヤシガニキンタ〇洗い>
ヤシガニは保護条例が施行されてから、場所や時期などによって捕獲禁止になっています。
条例が施行される前は、何時どこで捕っても大丈夫でした。
鍋に入れると美味しいだダシが出るそうです。
ヤシガニを見つけるには熟れたアダンの実が散乱している付近など、ヤシガニが出没しそうな場所を徹底的に探す方法も有りますが、一周道路をドライブするのが一番手っ取り早いと言われています。
ヤシガニは6月から10月にかけての大潮の時期に産卵のため海に行くと言われています。
そんな夜に、車をゆっくり走らせるとヘッドライトにヤシガニが浮かびあがります。
まるよしに宿泊される方で興味ある方は、お酒を我慢してトライしてみてください。
天然記念物のオカヤドカリにも出会えますし、道路を徘徊する巨大なヤシガニに遭遇するかも知れません。
そんなヤシガニの事を、オスでもメスでもキンタ○を洗いに行くと言っています。(2018.05.23)



<ホタル狩り>
伊良部島ではホタルは一年中見られますが、暖かくなると見る事のできる確率がより増えるようです。
下地島空港の管制塔付近の道路などでよく見られますが、体験農業施設あたりにもホタルがよく飛び交います。
ホタル探しに余念のないHさんは数年前、キャンプ村の近くでホタルに遭遇しました。
数匹のホタルが灯りを点滅させて美しく飛び交います。
まるよしまでに歩いて帰る途中にも、ホタルが後を追ってくるように飛んできます。
道端に止まったホタルを手のひらで包むと手の中でボンヤリと光ります。
まるで映画の1シーンのような光景です。
まるよしの駐車場で放すと遠くに逃げもせずにしばらく周辺を飛んでいました。
子供のときに内地の田舎で体験したことが思い出されて、50年前にタイムスリップしたような感覚だったそうです。
風が弱く、月の無い暗い夜には探しに行ってみてください。(2018.05.27)



<雨と晴の境界>
南の島では地面が太陽で暖められて、島の上に上昇気流が発生します。
上昇気流は島の回りの高い海水温の海から水蒸気を取り込んで、島の上に雲をかけます。
時には雨雲に発達する雲は、スコールとなって急な雨を降らせます。
東シナ海と太平洋の間に並ぶ宮古諸島は石灰岩の隆起で出来たので高い山は有りませんが、島の上空には雲が浮かびます。
そんな風景は来間島の竜宮城展望台や伊良部島の牧山展望台から宮古島を臨むと、ほぼ確実に見られます。
雲は島特有の風に流されて上空を通過して、晴れていても一時的な雨が降ります。
そんな時はまさしく雨と晴れの境を見る事ができます。
道路一本はなれた所で雨が激しく降っていても、その隣は晴れという事もあります。
極端に言えば、境界の晴れ側に立って雨側に手を伸ばすと手だけ雨に濡れるという状況です。
高い山や建物がない分、宮古島ではより空が広く見渡せます。
雨に濡れずに天気の境界を見たい人は、ビーチや見晴らしの良い高台で空を眺めてください。
海に浮かぶ灰色の雲から降る雨の線がはっきり見れます。
南国ならではの独特の景色です。
雨の後には虹の橋が架かることもあります。(2018.05.31)
通り雨01 (1024x692)



<芒種小満>
季節を表す方法や言葉は色々有りますが、その中に二十四節気が有ります。
二十四節気は太陽の動きに合わせて、一年を24の季節に分けています。
皆がよく知っている立春、春分、夏至、立秋、秋分、立冬、冬至なども二十四節気の呼び方です。
伊良部島では10月8日の寒露の頃にサシバが渡って来ると言われているいますが、寒露も二十四節気の一つです。
5月21日頃から始まる小満(しょうまん)という節季から梅雨の走りとなり、6月6日頃からの芒種(ぼうしゅ)という節季に五月雨(さみだれ)の季節を迎えます。
因みに五月雨とは陰暦の5月頃に降り続く雨、いわゆる梅雨のことだそうす。
今年は空梅雨と言われ、給水制限も検討されている沖縄ですが、日本の南西に位置しているため、本来なら二十四節気で表される梅雨より、少し早めに梅雨に入ります。
伊良部島は更に南西にあるため、梅雨の本格的な雨が降るのは小満の頃からです。
ところが今年は小満になっても、雨らしい雨は降りませんでした。
古くから「小満に雨が降らない場合は芒種に降るのではないか」と言われています。
その事を伊良部では芒種小満と言うそうです。
台風5号の影響か、芒種になって雨が降り始めたようです。
サトウキビにとっても、ありがたい事です。(2018.06.12)
20180612下地島サトウキビ畑 (1024x691)



<クマノミ>
伊良部島を楽しむ方法は数多く有りますが、その中で代表的な物の1つにシュノーケリングが有ります。
伊良部島・下地島の周辺はダイビングスポットになっていて、宮古島からたくさんのダイビング船がやって来ます。
伊良部大橋が架かってからは、船の時代の何倍もの観光客の方や、宮古島在住の人たちも押し寄せます。
シュノーケリングする人たちの一番人気はクマノミです。
超有名な中の島海岸でずっと前からガイドをしている人によると、中の島海岸では日本で見ることの出来る6種類のクマノミのうち、4種類のクマノミと出会えるそうです。
映画で人気のでたニモでお馴染みのカクレクマノミをはじめ、クマノミ、ハマクマノミ、この辺りではちょっと珍しいセジロクマノミです。
ハマクマノミはそこらじゅうにいて、子供たちは「ニモだ、ニモだ」と大騒ぎしますが、元祖ニモは三本線のカクレクマノミを指すそうです。
中の島海岸のカクレクマノミは数が少数ですが、他のビーチでは普通にいます。
カクレクマノミを熱愛する方は他のビーチも探検してみて下さい。
ただし、情報を収集して安全を確認して、安心して探検してください。(2018.06.24)
20180624カクレクマノミ01 (1024x691) 20180624カクレクマノミ02 (1024x691)



<ホンソメワケベラ>
沖縄の海で一番綺麗と言われる宮古諸島ですが、その中でもビーチエントリー出来るビーチが数多くある伊良部島・下地島のビーチはシュノーケル天国です。
カラフルな熱帯魚や様々なサンゴの他にも癒し系のハコフグやタコ、シャコガイやタカラガイ等、見たいものには限りが有りません。
そんな生き物の中でチョット変わった魚にホンソメワケベラがいます。
縦じまのストライプのスッキリした模様の小さな魚ですが、他の魚の寄生虫を食べるクリーニングフィッシュとして知られています。
掃除する場所はクリーニングステーションと言って、場所が決まっています。
ステーションでは魚が脱力してホンソメワケベラに身を任せています。
まるよしに通うRさんがお気に入りのピサピシのビーチにはクリーニングステーションが有って、ホンソメワケベラがRさんの足をつつきます。
一時話題になったドクターフィッシュのようだと悦に入っていたRさんですが、後でホンソメワケベラが寄生虫を食べる魚と知ると、シャワーを浴びる際に入念に足を擦るようになりました。(2018.07.14)
20180714ホンソメワケベラ01 (1024x691)



<ピサピシ>
伊良部島、下地島には数多くのビーチが有ります。
伊良部大橋が架かってからは、観光客が押し寄せるようになり、宮古島のマリンショップもビジネスチャンスを求めてか、観光客をガイドするようになりました。
はじめは有名な中の島ビーチに集中していたようですが、橋が開通して2年が経過する頃には今まで伊良部島のショップしかガイドしない、当時はマイナーなビーチにも見慣れないショップの車が止まるようになります。
更に3年目に入ると、混雑する中の島ビーチを避けるのでしょうか、普段は人が入らないビーチにもチラホラ観光客の姿を見かけるようになります。
人間の心理として誰かの車が駐車しているビーチは安心するのでしょうか、そんな浜には当然のように多くの人が出入りするようになります。
その代表的な浜がピサピシです。
一周道路に面して浜が見渡せるせいか、今ではガイドの車も含め、車が何台も駐車している時があります。
かつては地元の人が大潮の時に潮干狩りに入るだけだった浜も、橋が架かる前にJTAの機内誌でシュノーケルポイントとして「空港下」と紹介されたり、ダイビングポイントにちなんで「一の瀬ドロップ」と呼ばれたり、滑走路の名前から「35エンド」と名付けられたりして認知度は年々高まって行きました。
ビーチの呼び方は増えましたが、たくさんいたカクレクマノミは数を減らしました。
ビーチの姿は確実に変化しています。
名前の由来の通り広大に拡がる平らなリーフと周辺の環境が無事に生き残る事を願っています。(2018.07.26)
20180726ピサピシ (1024x691)



<パッションフルーツ>
温暖な沖縄には内地では珍しい果物が数多くあります。
マンゴーやパパイヤやパイナップルなどはトロピカルフルーツと総称されますが、その中にパッションフルーツがあります。
通常、店頭で販売されているフルーツはハウスや畑で栽培されているのが一般的ですが、サトウキビ畑の片隅に自生したり、家の庭に植えられた物でも美味しく食べられます。
昔は内地でも庭の有る家には、梅や柿や枇杷等、実の成る木が必ず植えられていたものです。
伊良部島ではマンゴーの木が庭に植えられている家も有ります。
まるよしでの駐車場には、パパイヤ、ドラゴンフルーツが植えられていて、以前はパッションフルーツもありました。
好き嫌いがあるようですが、ちょっと酸っぱくていかにもビタミンCがタップリという味です。
見かけはカエルの卵みたいだと気持ち悪がる人もいますが、いかにも南国を連想させる食感のフルーツです。
パパイヤがまんじゅうと言われるように果物も方言で呼ばれますが、パッションフルーツは外来種だそうで、伊良部でもパッションフルーツはパッションフルーツです。(2018.07.30)
20180730パッションフルーツ02 20180730パッションフルーツ02 (1024x786)



<マリアの眼>
宮古島は昨年の秋、2003年の台風14号マエミー以来、久々に強い台風の直撃を受けたましたが、1週間近く停電が続いたマエミーの時のように甚大な被害が出ずに済んだのは不幸中の幸いでした。
今年も7月には、猛烈に発達した台風8号マリアが宮古島を直撃して去って行きました。
最大瞬間風速70mが予想され、厳重な警戒が連日報じられたマリアですが大きな被害はなく、一安心でした。
宮古島はマリアが来る数日前にも、台風7号の影響で50年に一度の大雨に見舞われていて、普段は安定した天気が続くこの時期に立て続きに台風の襲来を受けました。
伊良部島の梅雨明けは例年6月の20日過ぎで、いつもは梅雨明けから7月中旬ごろまで一番天気が安定します。
毎年台風シーズンを避けて、この時期をねらって訪れる人もいます。
今年もやってきたYさんは、想定外の台風を経験して、半日間の停電の洗礼も受けました。
猛烈な北東からの暴風を連れてきたマリアの眼に入ると、小一時間は無風状態が続きましたが、その後は南西からの暴風に変わり、電気の来ない部屋は一気に蒸し暑くなりました。
台風には避けて貰いたいものですが、自然には逆らえません。
台風の眼を体感するという、なかなか味わえない経験をしましたが、それと同時にやっぱり最近の天気は変だなと実感します。(2018.09.04)
台風8号の停電 (1024x691)



<明和の大津波>
ここ数年、気候変動による大雨などの自然災害が頻繁に発生していますが、火山や地震などの活動も多く報道されています。
北海道でも大きな地震が起きました。
沖縄地方でも、1771年に発生した明和の大津波が先島諸島に壊滅的な被害をもたらしました。
八重山地方でより大きな被害が出たそうですが、伊良部島でも下地島の帯岩や佐和田の浜の奇岩など見ればその大きさが計り知れます。
下地島は水没して、それ以降人が住まなくなったと言われています。
ずっとこの地方の津波は300年周期説が言われていて、そろそろ来てもおかしくないと言われてきました。
東日本大震災の後の調査では一時、周期説が否定的に見られる見解も出ましたが、最近の調査で600年周期説が有力になっています。
備えあっては憂いなし。いづれにしろ日頃の備えと心構えが大切だと思われますので、観光で来られた方も避難先や高台を確認して心の備えをしておいた方が良いと思われます。(2018.10.02)
カッフィからの帯岩 (1024x692)



<サメ>
宮古島などのマリンレジャーを楽しむ沖縄では「海の中の危険生物に注意しましょう」というポスターや啓発看板があって、フリーペーパーなどにも海で安全に過ごすための記事があります。
以前このあたりに来る人はダイビングや素潜りの経験者が多く、危険生物については事前に知識がある人がほとんどでした。
伊良部大橋が架かって観光客の数が増えると、安全のためのレクチャー無しで海に入る人もたくさんいるようですが、さすがにサメだけは怖いと知っています。
宮古島周辺の海にはサメが普通にいます。いないほうが不思議なくらいです。
毎年のようにサメの目撃状況や被害が報道されます。
サメの目撃情報が出るとその近辺のビーチは入水禁止になります。
宮古島と伊良部島の間でサンゴの生育調査の作業をしていたダイバーがサメに襲われたり、砂山ビーチでサーファーが死んだり、保良泉ビーチでサメに食われたイルカが打ちあがったりと毎年のように話題になります。
今年は博愛漁港で4メートルのサメが目撃されて、シギラビーチは入水禁止になりました。
これらのサメは危険なホオジロザメやイタチザメですが、そうでないサメもたくさんいます。
下地島の浅瀬でもドチザメなどが目撃されます。
釣り人の針にもサメは頻繁に架かります。
海にはサメ以外にも危険な生物がたくさんいます。
海に入る方はビーチの情報を集めると同時に、危険な生物の知識も事前に頭に入れてから海に入ることをおすすめします。
観光協会に置いてある「宮古島観光マップ」には有害生物に対する対処方法も載っています。(2018.12.13)
ドチザメ



<デイゴ2019>
暑さ寒さも彼岸までと言われていますが、伊良部では春はサニツからと言われています。
サニツは旧暦の3月3日で浜下りの日として知られていますが、今年は4月7日にあたります。
今年は冬が無かったと言われる伊良部なので、季節の変わり目がわかりませんが、すでに春は来ているようです。
春からウリズンと呼ばれる初夏に咲くデイゴは一分咲きから二分咲きの状態です。
デイゴの花の見所のと知られている、かつてB&G海洋センターがあった場所でもすでに開花しています。
まるよしから近場の国仲公民館でも咲いています。
寒いところから来られた方は、デイゴの花に春の訪れを感じてください。(2019.03.03)
デイゴ2019 01 (1024x690)

デイゴ2019 02 (1024x691)



<コウノトリ>
昨年3月に池間島で確認されたコウノトリは、その後4月には伊良部島に飛来して、佐和田の浜で餌をついばむ姿が目撃されていました。
昨年の7月には滞在日数が100日を越えたと報道があり、まるよしでも10月に滞在したお客さんから目撃情報がありました。
兵庫県の豊岡から奄美大島を経て、はるばる飛来したコウノトリ。
その後報道はされませんでしたが、この度2月23日で滞在333日を迎えたの報道がありました。
観察を続けている野鳥の専門家によると、本来寒い地域で暮らすコウノトリが、しかも干潟で餌を捕るのは珍しい事だそうです。
まるよしでも、「赤ちゃんを運ぶとされるコウノトリと子宝祈願の佐和田の黒浜御嶽を結び付けた島起こしのイベントをすれば良いのでは」と言う話もでています。
佐和田の自治会でも「製糖期が一段落した折りに、何かイベントを」と言う計画も有るとか。
佐和田幸田と命名され、住民票も交付されて記念Tシャツの販売計画もあるコウノトリが地域起こしと、人口の増加に力を貸してくれればという思いです。
コウノトリは近くで見ると巨大でインパクトがあります。
まるよしにお泊まりになる方は、奇岩で有名な佐和田の浜を訪れる際には、眼を凝らしてコウノトリを探して見てください。思わぬ幸せが訪れるかもしてません。
コウノトリが伊良部に移住して、文字通り伊良部の自然の一部になってくれれば良いですね。(2019.03.07)
コウノトリ (1024x695)



<白砂のビーチ>
渡口の浜の南の端の駐車場の横には、以前「パーラー渡口の浜」とか「渡口の浜食堂」と呼ばれていた天ぷら屋がありました。
カレーやそばもあって、地元の住民の憩いの場になっていて、観光客の中にもファンが多かったようです。
今は伊良部バブルの落とし子のような、観光客むけのカフェになっていますが、天ぷら屋の女将によると、渡口の浜の砂は、量が増えたり減ったりして、海岸の形が日々変わったそうです。
これは季節の風向きや台風の大波の影響だと言われています。
一方、下地島空港17エンドの砂は確実に増えています。
以前は大潮の干潮時でも海面下にあった場所の白砂が露出して、年々その範囲が拡がっています。
今では白砂の美しい伊良部島有数の絶景ポイントになりました。
これらの砂は、伊良部大橋の工事と共に増えたと言われています。
所変わって、宮古島の前浜では砂の減少が嘆かれています。
伊良部島でも更に変化が起きているようです。
最近開発が進んでいる渡口の浜の南に点在するビーチは、今までサンゴや小さな巻き貝が打ち上げられてビーチコーミングに絶好だった浜でした。
しかし最近は砂の量が増えて、引き潮の時には白い砂浜になっています。景観は綺麗になりましたが、イモガイやサンゴの欠片を目当てに訪れる人には残念な結果になっています。
季節や波がもたらす一時的な現象なら良いのですが、観光バブルによって伊良部島に大きな影響を及ぼした伊良部大橋は、伊良部島の自然の景観や生態系までも変えてしまうかもわかりません。(2019.04.08)
渡口の浜南の白砂ビーチ (1024x690)



<ハイビスカス>
南国を代表する花と言えばハイビスカスが有名です。
かりゆしウェアの柄にもよく使われ、沖縄の花の代名詞になっています。
ハイビスカスは畑と畑の境界に植えられていたり、街路樹になっているところもあります。
色は赤系が多く見かけられます。
真紅からピンクがかったものまで、微妙に違う色々な赤があって、それぞれの美しさがあります。
日本名はブッソウゲというそうですが、宮古島ではあかばなと言われて、八重のハイビスカスはゴージャスです。
宮古島では2、3年前から「宮古島ハイビスカス(あかばなぁ)産業化プロジェクト」で、宮古島産ハイビスカスの産業化を目指しています。
プロジェクトでは、ハイビスカスを使ったエキスやドリンク、食品、化粧品などの商品開発などを行っているそうです。
宮古島ではプロジェクトの前から、ハイビスカスの枝がお土産用に売られていたり、ハイビスカス風味のコーヒーやお茶もあります。
伊良部島でも街あるきのツアーでは、ハイビスカスで色付けしたハーブティーやハイビスカスの花の天ぷらなどが振舞われます。
伊良部商工会もプロジェクトに参加しているそうなので、これを機会に新しい名物になれば良いですね。
ハイビスカスは挿し木でも付くそうなので、一度お試しください。(2019.04.28)
ハイビスカス (1024x690)



<ミガル>
旧暦3月3日のサニツが過ぎると昼の潮位が下がり始めます。
通常一日2回の満潮・干潮がありますが、この頃から夜の干潮より、昼の干潮の方が潮が引いて、水温が暑くなるまでの時期が潮干狩りには絶好の季節になります。
今年のサニツは余り潮が引かなかったようですが、次の大潮は潮も引いて絶好のコンディションになったようです。
プゥルに向かったまるよしのスタッフの一家は大漁だったようです。
魚釣りやサザエの他に、狙いはミガルと言う貝です。
磯の香りがして島酒のつまみには絶好です。
文字で書くとミガルですが、「み」と「が」発音は鼻に抜けるで音で、「る」は巻き舌になります。
フランス語のような発音です。
ミガルは伊良部の方言で一般的に何と呼ばれているのか知りませんが、「りゅうきゅうへびがい」の一種と思われます。
ミガルは潮の引いたサンゴの間にヘビが横たわるような姿をした筒状の貝です。
普通の二枚貝や巻貝を想像していると、なかなか見つけられません。
これからは水温もあがり、海に入るには良い季節になります。
原色のトロピカルフィッシュもきれいですが、是非ミガルも捜してみてください。(2019.05.02)
ミガル (1024x691)



<サンセットビーチ>
島国の日本には海に沈む夕日の見所がたくさん有って、サンセットビーチという名前のビーチが至る所にあります。
宮古島にもサンセットビーチという名前のビーチが有るようですが、特に名前を付けなくても至る所がサンセットビーチです。
伊良部島にも夕日の見所が数多くありますが、サンセットビーチと言うとすれば、やはり下地島の西海岸が頭に浮かびます。
夕日ポイントでは空港17エンドや佐和田の浜が有名ですが、高い建物が無く、空が広い伊良部島では遠くまで見通しがきくので、海岸まで行かなくても、夕日を見れるポイントがたくさんあります。
日中の太陽は強烈な紫外線で人の肌にダメージを与えますが、夕方の太陽は赤外線を放つと言われています。
ちょっと肌寒い夕方でも暖かく感じるのはそのためだそうです。
紫外線を気にして日焼けを気にしている方も、夕方は伊良部島の夕日の絶景を見に出かけてみてください。
絶景に心も癒されますが、遠赤外線効果で身体にも良さそうですよ。(2019.05.18)
サンセット (1024x690)



<ウミヘビ>
沖縄でウミヘビはエラブーと言いますが、伊良部島ではイラブーと言います。
伊良部だからイラブーというわけでなく、宮古島でもイラブーです。
伊良部島周辺のビーチでは、日常的にウミヘビと遭遇します。
シュノーケルをするとユラユラと水面近くを泳いでいたり、海面から海底まで潜る姿がみられます。
大潮の干潮時には潮溜まりでじっとしている姿も見る事ができます。
ウミヘビは神の使いとして昔から語り継がれています。
また泡盛に漬けられて蛇酒として土産物屋で売られていたり、宮廷料理や滋養食としても知られていて島の人には身近な存在です。
ヘビに関しては生理的に受け付けないほど嫌悪感を持つ人や、怖いもの見たさで腰が引けても見たい人、ゲテモノ好きと言われても大好きでたまらない人など色々の人がいます。
ウミヘビについては、泳ぐ姿が美しく大好きという人もいます。
咬まれると血清が無いため致死率が高いと言われ、海の中の危険な生物としても知られてるので、ばったり遭遇しても決してちょっかいは出さないほうが良いと思います。(2019.06.19)
ウミヘビ (1024x691)



<ドラゴンフルーツの花>
宮古島にはトロピカルフルーツと言われる、内地ではなかなかお目にかかれない南国独特の果物が数多くあり、観光客のなかにはフルーツを目当てに訪れる人もいます。
今の時期はマンゴーが有名ですが、その他にもたくさんあります。
フルーツというと果樹園や畑で栽培されている姿が目に浮かびますが、庭や畑に普通に生えているものもあります。
まるよしの駐車場にもパッションフルーツ、ドラゴンフルーツなどの木があります。
かつてはパパイヤもありました。
その中でドラゴンフルーツは果実だけでなく美しい花を咲かせます。
月下美人の花と似た花で夜に咲き、日の出と共にしぼんで行きます。
月下美人もドラゴンフルーツもサボテン科の植物ということなので、同じような花の姿に何故か納得してしまいます。
ドラゴンフルーツの花は、7月頃から11月頃にかけて旧暦1日、15日前後に咲くと言われています。
開花に合わせて受粉を助ける虫も集まってきます。
サンゴやオカガニの産卵やスクと呼ばれるアイゴの稚魚がリーフに入って来るのも月の動きに影響を受けています。
旧暦で1日と言えば新月、15日と言えば満月ですが、十五夜に咲けばまさしく月下美人です。この時期に訪れた方は、月の神秘的な力と生命の不思議を感じてください。(2019.07.01)
ドラゴンフルーツの花 (1024x693)



<オカヤドカリ>
ヤシガニ探しに夜のドライブに行くと必ず遭遇するのがオカヤドカリです。
サザエやアフリカマイマイなどの大型の貝殻を背負って一周道路を徘徊しています。
オカヤドカリは国の天然記念物にもなっています。
中には青色の身体をしている個体もあります。
貝殻から半分覗く身体はまるでヤシガニの子どもといった姿です。
普段は陸上で暮らしていて、6月から9月頃にかけての満月の夜に海に産卵に行くと言われていますが、その生態もヤシガニを思い起こさせます。
オカヤドカリはヤシガニと違って、昼間でも熟したアダンに寄ってきてガサゴソ動いています。
三角点やシンビジに降りる道や通り池のアダンのトンネル付近でも、見られる事があります。
夜に一周道路をゆっくりドライブすると、100%に近い確立で出会えます。
国の天然記念物にも様々ありますが、伊良部島に来た際は、星空やホタル観察など夜の探検の時に探してみてください。(2019.07.05)
オカヤドカリ (1024x693)



<イワシ>
7月になるとイワシの稚魚・幼魚がリーフの中に入ってきます。
ギンガメアジの群れの中で泳ぐ事はダイバーには良く知られていますが、伊良部島ではイワシの群れの中で泳ぐ事ができます。
銀色の鱗がキラキラ光って素晴らしく綺麗な光景です。
イワシの他にもキビナゴやアイゴの群れもリーフの内側に入ってきます。下地島のビーチの浅瀬でも見られます。
シュノーケルをするとカラフルな熱帯魚につい眼が行きがちですが、地味な魚も大群で泳ぐ様は壮観です。
青の洞窟近くでは、イワシの群れを狙ってカツオがくる時もあります。
水面をカツオが飛び跳ねる様は壮観です。(2019.07.25)
プルのイワシ



<サラダカボチャ>
たくさんある宮古島の島野菜の中に「なんこう」があります。
宮古島在来種のカボチャで、ウリカボチャとも呼ぶそうです。
水分が多いためか、一般的な西洋カボチャのほくほくした食感とは違ってさっぱりした感じで、野菜カボチャとかサラダカボチャとも言われています。
栽培もされていますが、畑の片隅に突然出現する事もあります。
巨大になるため、一家族では食べ切れません。
大きさはスイカ以上です。
収穫したままならある程度日持ちしますが、一旦切り分けると普通のカボチャより足がはやいので、冷蔵庫に保存して早めに調理します。
そんな訳で、収穫するときは、あらかじめおすそ分けの相手を決めておきます。
甘く水々しいので、オシャレなスープの材料としても注目されているそうが、ビタミンA、B1、B2、Cなどが豊富に含まれているので、風邪の予防や夏バテ解消にも効くということです。
昔から島野菜は薬膳の食材になっていますが、最近の健康ブームでブレークする前に是非食べてみてください。(2019.09.07)
なんこうかぼちゃ01(1024x692)

なんこうかぼちゃ02 (1024x691)



<パパイヤ>
トロピカルフルーツとして知られるパパイヤは青パパイヤとして野菜で食べられることが多いようです。
パパイヤチャンプルは島の郷土料理として、まるよしでも人気があります。
とは言っても、一般的に観光客の皆様にとっては、パパイヤといえば完熟パパイヤでしょう。
完熟パパイヤを収穫するためのフルーツ農園もありますが、伊良部島でもパパイヤはあちらこちらに普通にあります。
一説によると、野菜としての青パパイヤに適した木とフルーツとしての完熟パパイヤに適した木が有るという話ですが、その辺の青パパイヤをそのままにしておくと完熟パパイヤになります。
黄色く熟した完熟パパイヤはカットすると黄色いメロンのような容姿です。
メロンよりちょっと濃厚な甘さと食感がたまらないという人もいます。
宮古島・伊良部島ではパパイヤの事をまんじゅうと言います。(2019.09.15)
パパイヤ01 (1024x691)  パパイヤ02 (1024x691)



<ヤモリ>
宮古島ではヤモリの事をヤーズミと言います。
伊良部島ではヤージマとかクラズミとも呼びます。
ヤドモリとかヤドモレという事もあるそうです。
体の色は状況によって変わるそうですが、きれいな緑色をしているのをよく見かけます。
部屋の中にも住んでいて、虫を食べてくれるため、大事にされています。
まるよしの食堂では、夜になってあたりが暗くなると、よっぽど寒い日で無い限り100%に近い確率でヤモリがガラスにへばりつきます。
店内の灯りに寄ってくる虫を食べるためです。
吸盤のような足をガラスに押し当て、待ち伏せしています。
虫が近くに来るとすばやく近づいて、舌を伸ばして晩ご飯にありつきます。
観光客の子供たちは大喜びで、内側からガラスにへばりつきます。
親も童心に帰って、カメラで撮影します。
足の動きが可愛くて、ずっと見ている大人もいます。
鳴き声からハワイではゲッコーと呼ぶそうですが、ヤモリにも方言があるのか、伊良部のヤモリはそんな風に鳴いているようには聞こえません。
トカゲが苦手な方でも、ヤモリだけは大丈夫という人もいます。
都会では少なくなったヤモリです。
まるよしに来たときは大人の方も恥ずかしがらずに、ガラスにへばりついてください。(2019.09.19)
ヤモリ (1024x692)



<ホタル2019>
いらぶの自然 (733x1024)伊良部町時代に発行された「いらぶの自然」という本によると、伊良部島で観察されるホタルはミヤコマドボタルと言って、こちらではユーンプとかヤーンプと呼ぶそうです。
ちなみに飛ぶのはオスだけで、メスには羽がないので飛べないとの事です。
伊良部島ではホタルは一年中飛ぶと言われていますが、ホタルが舞う旬の季節はいつなのでしょうか。
確かに1月や2月の寒い時期にはあまり見かけない気がしますが、10月11月でもあちこちで目撃されています。
ホタル自体はどこでも見る事ができますが、光が余り届かない暗い草地や藪あたりでは暗いだけによく見る事ができます。
かつては下地島空港入口付近で良く遭遇しましたが、交通量が増えて道路の草も少なくなった今ではどうなのでしょうか。
キャンプ村付近も確率が高いと言われていますが、まるよしの近くでもホタルを見る事ができます。
今の時期、国仲御嶽から五ヶ里道へ続く細道でホタルが舞っているのを見かけます。
車を出動させなくても歩いて行けるので、一杯飲んだあとの夜の散歩で観察できます。
まるよしにお泊まりの方は是非、夜の探検コースに加えてください。(2019.11.22)



<キシノウエトカゲ>
伊良部島にはミヤコカナヘビが生息していましたが、サトウキビを食い荒らすねずみ対策で導入されたイタチの予想外の活躍で、絶滅危惧種になってしまいました。
ミヤコカナヘビは30cmにもなるトカゲで色は緑色だそうです。
昔は蛇やトカゲをたくさん見かけた伊良部島ですが、最近はほとんど見かけません。健在なのはヤモリだけです。
以前はミヤコカナヘビのほかにも色々な種類のトカゲがいて、キシノウエトカゲというトカゲもいたそうですが、これもイタチの導入で数が減ったという事です。
キシノウエトカゲは国指定の天然記念物に指定されていて、大きいものでは体調40cmにもなるということです。
宮古島環境クラブによると、キシノウエトカゲは宮古島方言ではバカギザとかパリイズゥ(畑の魚)などと言うそうです。
伊良部ではお腹が赤い事からパルグルクンと呼ばれています。
パルは畑、グルクンは内地ではタカサゴとも呼ばれる魚のグルクンです。
そんな事もあって、トカゲが苦手な人はグルクンも食べれなかったそうです。
蛇などの爬虫類は好き嫌いが多くて、いやな人は全く駄目で、好きな人はとことん好きになりますが、圧倒的に苦手な人が多いようです。
もしもあなたが爬虫類大好き人間なら、伊良部島にはハブがいないので、山に入って貴重なトカゲを探索するのも楽しいかもしれません。(2019.12.12)
グルクン (1024x691)



<ガジュマル>
沖縄の木と言えばガジュマルを思い浮かべる人が多いと思います。
そういえば、沖縄ブームのきっかけとなったNHKの朝ドラ「ちゅらさん」でも、 精霊キジムナーと出会う場面はガジュマルの森でした。
ガジュマルは宮古島市の木にもなっています。
御嶽など人の手が入らない場所で見かけることが多いようです。
宮古島の張水御嶽でも見る事ができます。
ガジュマルの幹はたくさんに分岐して生い茂ります。
物の本によるとガジュマルの語源は「絡まる」からきたとされています。
垂れ下がった気根を複雑に幹に絡ませて、締め殺しの木と言われる不思議な姿になって行きます。
伊良部島でも立派なガジュマルに出会えます。
伊良部の集落のダキフガーのバス停のそばには、枝を広げて日陰を提供する立派なガジュマルがあります。
国仲の集落では今年の台風で大きなガジュマルがポッキリ折れて、何か起こるのではと心配されました。
幸い今のところ、何も起こってないようですが、そんな事を思い起こさせる神々しい姿です。
伊良部島を訪れた際には是非、精霊を宿すと言われるガジュマルにも出会ってください。(2020.01.01)
ガジュマル



<ホシダカラ>
タカラガイにもいろいろな種類がありますが、ホシダカラという貝があります。
成長すると、殻の上の端から下端までのいちばん長い直線距離を表す殻高が110mm、貝殻の最大直径を示す殻径が70mmを超え、タカラガイの中でも大型種です。
日本産では、ハチジョウダカラなどと並んで最大級だそうです。
成体の殻は他のタカラガイと比べても丸みが強く重厚で、まるで陶器のようです。
ホシダカラの貝殻は収集家の間では人気があります。
また厚い貝殻に色の異なる層があることから、カメオなどの素材にもなるそうです。
まてぃだ通りの上里さんご加工店のショーウィンドにたくさん飾られているので、興味のある方はのぞいてみてください。
最近は乱獲などで、個体数が減ってレア物になっているようです。
夜行性ですが、昼は物陰に潜んでいるそうなので、シュノーケルでも見つけられるかもしれません。
潜りの得意な方は中の島ビーチにもいるようなので、是非捜してみて下さい。
海での楽しみ方の幅が広がりますよ。(2020.01.21)
ホシダカラ



<ネムノキ>
伊良部島を散策するといたるところにネムノキが生えています。
ネムノキとはご存知のとおり、夜は葉を閉じるのでねむというそうです。
ねんねの木とか、眠りの木とかもいうそうで、何となくあったかい雰囲気を思い浮かべます。
言葉の響きも良く、メルヘンチックな癒し系です。
若い方はご存知ないかもしれませんが、歌手で女優の宮城まり子さんが設立した肢体不自由児のための療護施設の名前にも使われています。
ネムノキは涼しげな木陰をつくるので街路樹にもなります。
漢字では合歓の木と書くそうで、重なり合う葉の様子から中国では家庭円満、夫婦円満の象徴として庭に植える風習もあるそうです。
マメ科の植物と言うことで、伊良部島でも綿毛のような可愛い花のあとに、さやえんどうのような小さな実をつけます。
こんな具合に、ネムノキには何となく良いイメージが定着しているようですが、実は伊良部では厄介者と言われています。
農家にとってネムノキは癒しの木ではなく、畑に侵入してくるしぶとい雑草です。
道路では草刈機でバリバリと刈られ、畑の周りでは除草剤をかけられます。
植物も人間と同じようで産まれた場所によって運命が変わるようです。
ちなみに葉に触れると葉が閉じる一年草のおじぎ草や、宮古島の第三給油所の前でゴージャスな花を咲かせるホウオウボクもマメ科の植物で、ネムノキと同じような葉の形をしています。(2020.01.25)
ねむの木




<女郎蜘蛛(ジョロウグモ)>
宮古島・伊良部島を観光すると大きな黄色い模様の入った巨大なクモによく出会います。
観光地として有名な来間島の竜宮城展望台や西平安名崎の展望台に向かう道、大神島に向かう島尻の港の脇の海岸へ続く道などでは高い確率で遭遇します。
内地でも見かけるジョロウグモですが、南西諸島にいるのはジョロウグモでもオオジョロウグモです。
オオジョロウグモは日本最大のクモで、雌は日本最大で体長5cm、脚(あし)を前後に伸ばすと15cm以上になって、中には20cmに達するものもあるそうです。
丸い形に張られた網目の巣も巨大で、直径が1~2mにもなります。
急斜面を海に向かう道で足元に気を取られて歩いていると、顔や頭に絡みついてギョッとします。
巣にはいろいろな獲物がかかります。クマゼミやスズメバチや、中には小鳥を食べる事もあると、物の本に書いてあります。
獲物は毒などで動けないよう処置をされたあと、糸で巻かれて巣の中央に持っていかれ吊り下げられて、数日間かけて食べられてしまうそうです。
捕まった獲物を頭から食べていることが多く、交尾の時には体調1センチほどのオスも食べられてしまう事があるとか。
まるでホラーの世界です。
クモなどの昆虫は、爬虫類と同じように苦手な人も多いようですが、怖いもの見たさで腰が引けながらもじっくり観察する人もいます。
伊良部島でも宮古島同様にオオジョロウグモに出会えます。
もしもあなたがホラー好きなら、通り池や白鳥岬の遊歩道や、シンビジの海岸へ続く道を歩いてみてください。(2020.03.09)
オオジョロウグモ



<サバ沖>
伊良部島には絶景ポイントが数多くありますが、その中にサバウツガー周辺の景色があります。
井戸を見下ろす見晴台から眺める海はあくまで透明で、サンゴ岩の浅瀬と深みとのコントラストは息を飲む美しさです。
右手には、青の洞窟を目指すダイビング船が集結しています。
夏場に南寄りの風が吹くと周辺の海は穏やかな日が続き、透明感は増して海の底まではっきり見る事ができます。
昔は高台から海を泳ぐイラブチャーも見える事があったそうです。
今でもサバウツガーの岩場からは島の漁師がタコやサザエを捕りに海に潜ります。(2020.04.14)
サバ沖 (1024x691)



<島バナナ>
沖縄のフルーツに島バナナがあります。
普通のバナナより小振りですが、甘さでは負けません。
よく間違えられるようですが、
モンキーバナナではありません。
島バナナはまだ青いうちに収穫して、皮が黄色くなったところで食べます。
普通のバナナとは一味違う濃い甘みがあります。
一方タイミング間違えて、固く青いうちに食べると渋みが強烈です。
内地でバナナは黄色くなってから商品棚に並べられる事がほとんどですが、伊良部島のスーパーでは普通のバナナでも青いうちに並べられる事があります。
島バナナに慣れている島の人は絶妙のタイミングで食べますが、慣れない観光客はそんなもんかと思って青いうちに食べて、顔をしかめます。
島バナナはびましゅうと呼びますが、国仲ではばさぎーと言います。
まるよしの駐車場にもバナナの木があります。(2020.05.12)
島バナナ



<元祖クマノミ>
伊良部島のマリンアクティビティにも色々ありますが、一番お手頃で人気のあるのがシュノーケリングです。
伊良部島・下地島にはボートに乗らなくてもビーチエントリーできるポイントがたくさんあります。
シュノーケリングする人たちの一番人気はニモと呼ばれるカクレクマノミですが、クマノミと言ってもニモだけではありません。
ちなみに伊良部島・下地島では4種類のクマノミに出会えるそうです。
ニモの他の3種類はクマノミ団地を造るハマクマノミ、ちょっと珍しいセジロクマノミとシンプルな名前のクマノミです。
そのなかでクマノミは、名前からして元祖っぽいのに何故かあまり騒がれません。
そもそもクマノミという呼び方は歌舞伎役者の化粧が由来になっているそうです。
「隈」は歌舞伎役者の人がする「隈取り」で、「実」は昔、小さな魚をあらわす字だったそうです。
英語名はアネモネフィッシュと言うそうです。
日本では歌舞伎役者の化粧、外国では花の名前が由来という命名に文化の違いを感じざるをえませえん。
そんな目でクマノミをじっくり見ると、新たな発見があるかもしれません。
海に入る際は、是非クマノミにも注目してみてください。
シュノーケルリングはお手軽ですが、危険も伴います。
海の基本情報や安全対策には万全を期してください。(2020.06.02)
クマノミ



<島の法則>
温暖な亜熱帯の伊良部島では、見かける生物が大きいと感じることがあります。
植物ではクワズイモの葉っぱ、昆虫・動物ではゴキブリやジョロウグモ、コウモリなどが代表的な巨大生物です。。
生物が巨大化する要因として、天候や食糧事情などがあると言われています。
一方、人に眼を向けると寒い地域の人ほど身体が大きく、熱帯近くの人の方の身体が小さいと言われています。
たしかにノルウェーなど北欧の人は背が高く、赤道直下のアジアや南米の人をみると少し小柄です。中国をみても一般的に北部の人は背も高く、南の人は小柄だと言われています。
調べて見ると「恒温動物においては、同じ種でも寒冷な地域に生息するものほど体重が大きく、近縁な種間では大型の種ほど寒冷な地域に生息する」という「ベルクマンの規則」というのがありました。
平たく言えば、体温調節するために寒い地域の方が、暑い地域に比べて身体が大きくなるいうことの様です。
その一方、「島の法則」というのがあって「島では、大陸の個体群または近縁種に比べ、小型動物では体サイズが増加し、大型動物では体サイズが減少する」という法則があるそうです。
こちらの法則は、島では大陸より小型生物は大きくなって、大型生物は小さくなるとの事です。
二つの法則は真逆のようですが、温暖な島の伊良部島の生物はどちらに当てはまるのでしょうか。(2020.06.06)
クワズイモ



<ミノカサゴ>
海の中には色々な生物がいますが、その中には人にとって危険な生き物もいます。
宮古島でもポスターやガイドブックなどで海の中の危険な生物の注意喚起をしています。
ウミヘビ、ハブクラゲ、アンボイナの貝、オニヒトデなどがよく知られていますが、その中でもミノカサゴには優雅な気品を感じます。
サンゴ岩の陰やくぼみでゆっくりと泳ぐ姿はとても美しいものです。
美しいものには棘があると昔から言われていますが、そんなたとえに使われるバラの花と同様、ミノカサゴのヒレには毒のある棘があります。
もともと危険な生物はその危険さを知らせるために、毒々しい派手な色をしていたり、目立つ容姿をしていると言われています。
そういう目で見ると、ウミヘビの美しい縞模様やヒョウモンダコの目立つ黄色はそのさいたるものですが、ミノカサゴも充分派手で危険です。
シュノーケリングで美しいものや変わったレアものを見つけると、思わず触れたくなって手を出す人もいますが、危険です。
陸上でも、美しい女性やイケメンの男性にすぐ手が伸びる人もいるようですが、これも危険です。
どちらもすぐに手を出さずに、安全か危険かじっくり判断した方が良さそうです。(2020.06.18)
ミノカサゴ



<潮だまり>
「宮古島・伊良部島のメインのアクティビティと言えばシュノーケリングです」と、よもやま話でもしつこく言っていますが、ライフジャケットを着ても海は怖いと言う人も少なくありません。
海はベタベタして苦手と言って海に決して入らない人もいます。
そんな人も、せっかくここまで来たのだから、是非海にお出かけいただいて、干潮時の潮だまりを覗いてみてください。
伊良部島の透明度の高い海では、海に入らなくても色鮮やかなトロピカルフィッシュを見る事ができます。
サンゴの海の潮だまりは小さなプールのようで、まるで水族館のようです。
プールの主役は枝サンゴの周りを泳ぐ宝石のようなブルーのルリスズメダイです。
ルリスズメダイなどのスズメダイはシュノーケリングでも人気がありますが、潮だまりでもかなりの確率で見る事ができます。
目を凝らすと潮だまりには、ルリスズメダイの他にも様々な海の生き物がいます。
カニやヒトデやウニの仲間がサンゴの隙間で動いています。
タカラガイやイモガイなどの貝もサンゴ岩のくぼみに張り付いています。
イソギンチャクがいれば、ニモにも出会えるかもしれません。
伊良部島・下地島のビーチでは、大潮の干潮時にそんなプールがあちこちに出現します。
さすがに大物は無理と思われますが、ウミヘビが休憩していたり、小さなウツボが潜んでいることもあります。
海に入らない方もそんな楽しみはいかがですか。
マリンブーツやギョサンを持ってお出かけください。
ただし、夢中になって満ち潮に取り残されないようにご注意ください。(2020.06.30)
カッフィ

ウツボ



<離岸流>
シュノーリングなどの海遊びが人気の宮古島のフリーペーパーには、海に入る際の注意事項が掲載されています。
海の中の危険生物など記事の他に必ず掲載されているものに、離岸流があります。
離岸流とは沖に向かう強い流れで、昔からサーファーの間ではカレントという呼び名で知られていて、沖に出て行くときに利用されていました。
当然、伊良部島周辺の海にもあります。
有名な観光スポットの中の島海岸にも離岸流に注意の看板が設置されています。
中の島の離岸流は一周道路から見下ろしてもはっきりわかる時があります。
波が比較的高い時などは、向かって右手の方にあまり波立たない水路のような流れが確認できます。
波が無いときでも、大潮の時は満潮で潮位の上がった海水が一気に引くわけですから、穏やかなようにみえても沖に向かう強い流れがあります。
満潮時の海は危険と言われるのには、そんな訳があります。
いくら海に慣れていても、離岸流に流されるとパニックになってしまうことがあります。
まるよしの常連さんも、潮に流された焦ったことがあるそうです。
そのときは一瞬パニックになりましたが、冷静になって流れと直角に泳いで難を逃れたそうです。
海に入る前にはそういう事も想定したほうが良いかもしれません。
シンビジや白鳥崎周辺も潮の流れが強い時があるので、充分お気を付けください。(2020.07.24)
中の島看板 中の島ビーチ離岸流



<ウミガメ2020>
シュノーケルでは綺麗なサンゴや色々な海の生き物に出会えます。
そんな中でも人気があるのがウミガメです。
ウミガメに出会えるスポットで人気が沸騰したのが、宮古島上野のドイツ村近くのわいわいビーチやシギラビーチです。
観光情報誌にもたくさんの宣伝記事が載っています。
最近は新城海岸のリーフエッジでたくさんのカメに出会えるそうです。
わいわいビーチ、シギラビーチではリーフの内側でカメと出会えますが、新城海岸はリーフ近くなので、離岸流の影響をモロに受けます。
そのせいなのか、今年は立て続けに3件の水難事故が新城海岸で起きました。
伊良部島でもカッフィのアウトリーフやシンビジなどで見られますが、いずれも潮の流れや波の影響を受けるので、安全の保障は出来ません。
単にウミガメを見るのなら、伊良部島でも三角点やイグアナ岩から見る事が出来ますが、ここは絶壁で別の危険があります。
ダメと言われると行きたくなるのが人情ですが、もしあなたがウミガメと泳ぎたいならわいわいビーチやシギラビーチに行くのが無難と思われます。
初めて行かれる方は、ベテランのガイドさんにお願いするのが良いでしょう。
安全にウミガメを見るのなら、来間大橋や伊良部大橋の上でジッと海に目を凝らすとかなりの確率で目撃できます。(2020.08.21)
ウミガメ新城01 ウミガメ新城02



<虹>
亜熱帯の宮古島・伊良部島では、頻繁に夕立に遭遇します。
夏場には毎日のように雷注意報が発表されます。
そもそも夕立の発生は「午前中からの日射により地表面の空気が暖められて上昇気流を生じ、水蒸気の凝結によって積乱雲を形成して降雨をもたらす」ということで、「上昇気流、上空と地表付近の大きな気温差、高温多湿の空気の3つの条件が揃うと、大気が不安定になり夕立の雲が発生する」とあります。
海に囲まれた伊良部島では、まさしく3条件に当てはまる事が多く、あっという間に黒い雲が沸き立ち、冷たい風が吹いてきたと思いきや、いきなりザーッときます。
南国のスコールと同じ現象と思われますが、スコールは風が主役で夕立の主役は雨と雷のようです。
夕立の後の主役は虹です。
ひとしきり激しい雨と冷たい風が吹いたあと、雨が上がって青空が少しずつ見えてくるとかなりの確率で虹が現れます。
大きい虹、丸い虹、半分の虹、時にはダブルの虹も出現します。
せっかくのお出かけで夕立に出会ってしまって「こんなはずじゃなかった」と思っている人も、空を見上げて虹を探してみてください。
思わぬ絶景に出会えるかもしれません。(2020.09.02)
虹



<オニヒトデ>
宮古島がまだ今ほどメジャーでなかった頃、観光の一番人気はダイビング、シュノーケリングでした。
石灰岩の隆起で出来た宮古諸島は川がないため土の流入もなく、透明度が高く綺麗な海が一番の売りでした。 裏を返せば他に売り物が無かったという事でしょうか。
当時は来島の目的があれもこれもでは無く、海メインという人が多かったようにと思います。
そんな訳で伊良部島に来る人は事前の準備や情報収集も万端で、海に対する知識も豊富でした。初めて訪れる方や心配な方もガイドを頼む方が多く安全は保たれていたようです。
ところが、伊良部大橋が架かって宮古島がブレイクすると、お手軽に出来るシュノーケリングをする人が殺到します。
中にはあまり知識がないまま、海に入る人もいます。
海の中は大変綺麗で感動ものですが、危険も潜んでいます。 海の中の危険生物というポスターあるほど、身近にたくさんの危険があります。
その中でも一番はオニヒトデです。
さすがにオニヒトデの危険さは有名で事故の話はあまり聞きませんが、2012年に白鳥崎沖でオニヒトデに刺される死亡事故が起きました。
サンゴの天敵である事でも有名なオニヒトデは大量発生することもありますが、伊良部島・下地島でのシュノーケルリングで普通に見かけます。
一見サンゴの上に綺麗な花が咲いたように見えるので、つい手を伸ばしたくなりますが、絶対に触ってはいけません。
刺されると死ぬ確率が高いと言われています。
オニヒトデに限らず、海の中では決して触らないで見るだけにしておいてください。(2020.09.06)
オニヒトデ



<セジロクマノミ>
クマノミにも色々な種類がいます。
伊良部島のガイドの話によると、日本に生息するのはクマノミは6種類という事ですが、シュノーケルで有名な中の島ビーチでは4種類のクマノミを見る事が出来るそうです。
ニモで有名なカクレクマノミ、クマノミ団地やクマノミマンションのハマクマノミ、イソギンチャクから離れて泳ぐ元祖クマノミ、そしてちょっと珍しい一本線のセジロクマノミです。
中の島ビーチではガイドが案内するカクレクマノミの近くのサンゴの中に生息するほか、少なくとも3か所のイソギンチャクの中にいます。
それらのセジロクマノミはちょっと深いところなので、見つけるのがちょっと難しいかもしれません。
中の島ビーチの隣の、アッタバサマという浜でも小さいながらセジロクマノミを浅い場所で見る事が出来ます。
この浜ではカクレクマノミが多く生息していて、ニモ好きの人にはたまりません。
あまり人が入らないせいか、隠れないカクレクマノミと言っていいほどの無防備なニモがいて、水中写真のモデルになってくれます。
コロナが落ち着いたら、あなたもクマノミ探索隊になってみてください。(2020.09.14)
セジロクマノミ01

低画質セジロクマノミ02_1



<ハブクラゲ>
島で育った人は子供の頃から海の危険さを生活の中で教わり、しぜんに知識が身についていきます。
海には離岸流などの危険が多く、有害な生き物も生息しています。
何も知らないと命を落とす羽目になります。
ひと昔前は、危険な潮の流れや深みを避けるため、海水浴と言えば遠浅の佐和田の浜や入り江でした。
満潮時に中の島海岸のような外海に接するビーチに入ることは避けるように言われていたそうです。
ところが、海水浴に安全と言われる場所にも危険が潜んでいます。
ハブクラゲは小魚を捕まえて食べるため、湾内や入り江、水際の浅いところに侵入することが多いとの事なので用心が必要です。
宮古島のパイナガマビーチなどにはハブクラゲ除けのネットが張ってあってその中で海に浸かりますが、伊良部島の浜には有りません。
ちなみにハブクラゲの被害は減少傾向にあるそうですが、観光客の被害は増えているそうです。
今年、まるよしにお泊りのお客さんも佐和田の浜でハブクラゲに刺されて大変な思いをしました。刺された足からだんだんと痺れが拡がってきて、命の危険を感じたそうです。
宮古病院を緊急受診して大事には至らなかったのが不幸中の幸いでした。
ハブクラゲに刺された場合は酢が効くそうですが、伊良部島の海岸は海水浴場でないため監視員も居なければ、酢も薬もありません。
さすがに酢を常時携帯する訳にはいきませんが、海に入る際はサンゴでかぶれる事もあるので、長袖・ロングパンツで自衛することも必要かもしれません。
参考までに宮古島市が発行する宮古島観光マップの中の「有害生物に刺された時の応急処置のしかた」を載せておきます。
宮古島観光マップは観光協会などに置いてあります。(2020.09.22)
有害生物に刺された時の応急処置のしかた



<ウツボ>
伊良部島の海に入ると様々な海の生き物に出会いますが、出会ってドキッとする生き物もいます。
サメやウミヘビなどが代表的ですが、ウツボもそんな生き物の一つです。
色とりどりの魚を追いかけてサンゴの間を潜ったり、浅瀬で貝探しをしているといきなり顔を合わせます。
ウツボはサンゴ岩の間に身を潜めて、鋭い歯をもった口をパクパクさせながら、顔をのぞかせます。
中にはすぐそばにウツボがいるのに気づかずに魚に見とれる人もいます。
一度ウツボを目撃すると、怖くて海に入れなくなる人もいます。
ウツボは攻撃的ではないので、よっぽどちょっかいを出さない限り危険はないと思われますが、蛇のような体系とゴマモンガラ同様、恐い顔で損しています。
確かに凶暴な悪人面に見えますが、良く観察すると可愛い顔をしているという人もいます。
しかし、いきなり窪みから出てきて、その全身を現して移動する姿には慣れた人でもさすがにドキッとします。
泳ぎが苦手な人でも、引き潮のサンゴ岩の窪みで見つける事ができます。
ウツボを愛する人がウツボを探すのは当然ですが、恐いもの見たさで刺激が欲しい人はウツボと対面してドキッとしてください。(2020.10.04)
ウツボ01



<なべ底>
伊良部島観光で一番に頭に浮かぶのが下地島の通り池です。
国の名勝及び天然記念物に指定されていて、伊良部島・下地島観光の横綱です。
駐車場からアダンのトンネルを抜けて通り池に着くと、そこから木製の遊歩道があります。
通り池を過ぎてしばらく歩くと、遊歩道はあれっ思うほど突然終点になります。
実は以前、遊歩道はもっと続いていましが、行き止まりの先は2007年から2011年にかけてのたび重なる台風で壊れてしまいました。
設置当初の終点はピサラブの海を見渡せるあずまやで、そのちょっと手前にはなべ底を見下ろせる展望デッキがありました。
なべ底は通り池と同じように海と繋がっている縦穴の洞窟です。
海が荒れているときに池の底の水が煮立っているかのように見える事から、なべ底と言われているそうです。
生まれ変わりのパワースポットとして知られており、以前は全裸で浸かる人もいました。
今でもガイドが案内することもあるようですが、サンゴ岩がごつごつして危険です。
ビーチサンダルで行くなどはもってのほかです。
しっかりとした靴や軍手や安全な服装で装備を整えて行くことは可能ですが、神聖な場所と言われていることもあり、あまりお勧めしません。
どうしてもという人は、伊良部島をよく知るガイドと一緒に安全に最大の注意を払って行ってみてください。
別に全裸になる必要はありません。(2020.12.19)
なべ底



<ビーチコーミング2>
伊良部島に来たら、美しいグラデーションのリーフの絶景やマリンアクティビティなどビーチの楽しみは外せません。
でも、せっかく海に来たのに波が高くて海に入れないことや、そもそも海に入るのは苦手という人もいます。
そんな時にはビーチコーミングがお勧めです。
ビーチコーミングと聞くと「なんだ子供の貝拾いか」と思う人もいるようですが、実際やってみると意外と面白いものです。
一度やってハマった人がたくさんいます。
伊良部島・下地島ではそんなポイントがたくさんあって、それぞれのビーチで見つけられる物も違ってきます。
引き潮の時が良いのは当然ですが、風が強い日などはあまり風の影響を受けないビーチを巡るのが良いかもしれません。
砂浜にはヤドカリがごそごそ這いまわり、綺麗な貝や、珍しい形の貝や美しいサンゴのかけら、シーグラスなどのお宝が打ち上げられています。
砂浜やサンゴ岩の浜以外にも、潮だまりにも眼を向けてみてください。
美しいルリスズメダイや名前もわからない小さな魚が泳ぎまわり、ヒトデやカニやウニの仲間なども見つけられます。
サンゴ岩の下に潜んでいるウツボや、潮だまりで休憩しているウミヘビに出会える事もあります。
そんな光景に出会うとビーチの楽しみ方が更に広がります。
冬の季節に来られた方も、ビーチの楽しさは十分味わえます。
晴れた日には、ひざ下まで海に浸かっても冷たくありませんよ。(2021.01.04)
潮だまりのウミヘビ



<いらぶの自然>
いらぶの自然宮古島市が誕生する前、伊良部島がまだ伊良部町だった時代の平成2年に「いらぶの自然動物編」という冊子が発行されました。
学校教育100周年を記念して発行されたものです。
伊良部島に関する本では、かつて村制70周年を記念して「伊良部村史」が発行されました。
最近では佐良浜を舞台にした「漂流」という小説も出版されています。
しかし、伊良部島に関する本を探してみると、非常に少ないことがわかります。
そんな意味でも「いらぶの自然」も伊良部島を知るための貴重な情報源です。
「いらぶの自然動物編」は文字通り、伊良部島生息する動物に関する本で、伊良部島を代表する砂浜海岸・マングローブ・畑・陥没地形・御嶽など9種類の生息地に分けて伊良部島の動物を紹介しています。
動物好きには、たまらない内容になっています。
発行当時の前書きには植物編、魚介類編、海草編も編集される予定との事と書かれていますが、残念ながらすべては日の目を見ていないようです。
その点もいかにも伊良部島らしいゆるい感じでほのぼのしますが、植物編は出版されています。
まるよしを訪れる人の中には宮古島に興味を持つ物書きの人もいて、宮古島を題材にした本の執筆の為に「伊良部村史」を手に入れました。
色々な面で伊良部島に興味を持つ方がいらっしゃると思いますが、動物好きの方は「いらぶの自然」を探してみてください。
最近の本に関しては宮古島のツタヤなどでもゲットできます。(2021.02.25)



<大和ブー大岩>
伊良部大橋の近くに大和ブー大岩と呼ばれる巨大な岩があります。
伊良部島を作る琉球石灰岩の岩です。
この辺りの石灰岩はかつて国会議事堂を建設する材料にも使われたといわれています。
大和ブー大岩は屏風岩とも呼ばれ、伊良部島を紹介する観光ガイドに必ず載っています。
ガイドブックによると、高さ25m、直径18m、重量3万トンもある巨大岩です。
人の大きさと比べると、その巨大さが際立ちます。
以前の伊良部島観光では必ず訪れる場所でしたが、最近伊良部島の人気は下地島方面です。
宮古島からの動線がフェリーや高速船が着く佐良浜港から、伊良部大橋に変わったせいもあるのか、大岩付近にはあまり観光客の姿を見かけません。
一周道路から見る方法が一般的ですが、一周道路から牧山展望台へ上る遊歩道もあって、牧山展望台からアプローチする方法もあります。
ちょっときつい階段や、急坂の遊歩道のせいかほとんど利用する姿は見えません。
遊歩道は強風の後の倒木などで、通行止めになっている時もあります。
途中に立派なあずまやもあって、大岩の裏側から宮古島方面を望む下牧の海岸を見下ろす独特のアングルの絶景が望めます。
車で回るとなかなか目に留まらない場所ですが、興味のある方は、是非散策してみてください。(2021.03.05)
屏風岩01
屏風岩02



<サンセットビーチ2>
サンセットビーチについての話題は以前にものぼりましたが、正式にサンセットビーチと呼ばれているのは宮古島の「みやこサンセットビーチ」だけかもしれません。
それもトゥリバー地区が整備されてからなので、そんなに歴史は古くはないと思われます。
「みやこサンセットビーチ」では伊良部大橋の先に沈む夕日が良い構図になるそうです。
夕日を見るポイントとしては来間島の長間浜や、宮古島の砂山ビーチなども知られています。
伊良部島では奇岩の先の下地島空港に夕日が沈む佐和田の浜や、西海岸のあずまや付近が思い浮かびますが、いずれもサンセットビーチの名前は付いていません。
下地島では佐和田の浜や空港管理道路が有名ですが、西海岸はすべてが夕日ポイントと言えます。
ここ数年で有名になった17エンドには、夕方になると夕日を目当てに続々人が訪れるようになりました。
伊良部島もだんだんメジャーになってきて「サンセットビーチ」と呼ばれるポイントが登場するのは時間の問題です。
伊良部島・下地島で「サンセットビーチ」と名前が付くのはどこになるのでしょう。(2021.03.13)
17エンド夕日



<宮古馬>
宮古馬と言えば沖縄県の天然記念物に指定されている小型の馬です。
宮古島観光のガイドブックには必ず載っています。
前浜ビーチで宮古馬に乗る姿はテレビの旅番組でもたびたび放映されています。
宮古馬の牧場は何か所かあって、ツアーに参加しなくても宮古馬に出会えます。
西平安名崎に行く途中の牧場に何頭か飼育されているのを見ましたが、最近は元気でしょうか?
かつては2000頭もいたと言われる宮古馬も近年では数十頭になって、絶滅の危機にさらされました。
以前から宮古島市は補助金を出して飼育を奨励していますが、2018年には劣悪な環境で飼育された馬の死亡が相次いで判明したため問題となりました。
宮古馬と言えば宮古島というイメージですが、かつては伊良部島にも普通にいたそうです。
沖縄大学が行った佐和田の住人からの聞き取り調査によると、伊良部島では馬車を引いたり、サトウキビを絞る砂糖車の動力になったり、畑仕事をしたりと働き者だったそうです。
宮古島市では2030年度までに現在49頭の宮古馬を100頭に増やす計画をたてていて、これから放牧場や調教、繁殖施設などを整備するとの事です。
飼育は大変だと思いますが、伊良部島にもそんな施設が出来るかもしれません。
出来た折には、心が癒される事は間違いなしです。(2021.04.02)
宮古馬



<ユウナ>
伊良部島を散策すると様々な花を見かけます。
亜熱帯の伊良部島は内地と異なって、春夏秋冬の四季の区別は明確ではありませんが、季節ごとに咲かせる花もあります。
宮古島市の花になっているデイゴの花や、街路樹にもなっていてゴージャスな花を咲かせるホウオウボクなどはその代表例で開花の季節がハッキリしています。
一方、年がら年中咲いているような花もありますが、厳密な意味で言うと一年中花を咲かせている訳ではないようです。
そんな花としてハイビスカス、ユウナなどが頭に浮かびます。
その中でもユウナは鮮やかな黄色の花を咲かせるので、遠目にも目に留まります。
鮮やかな黄色はいかにも南国と言った感じです。
ユウナは海岸に自生するそうですが、防風林・防砂林にも利用される事もあるので、海岸近くでよく見る事ができます。
街路樹や家の周りに植えられることもあるので、身近にもあります。
調べて初めて知りましたが「朝と昼で花の色が変わる」らしいので観察してみてください。
目線を下に向けると、目立つ花の他にも、名前も知らない花があちらこちらに咲いています。
車で伊良部島を巡るとつい見落としがちですが、観光で来た方もレンターカーを降りて是非伊良部の花を探してみてください。(2021.04.14)
ユウナ



<ハコフグ>
伊良部島の海に潜るとかなりの確率でフグに出会えます。
サンゴの岩陰に隠れて、むなびれを細かく動かす姿が可愛い、癒し系の人気の魚です。
深く潜らなくても比較的浅い所でも見つかります。
フグにも色々種類があるそうですが、四角い身体のフグはハコフグの仲間です。
伊良部島近辺で見かけるのは、黄色の身体が美しいミナミハコフグや、黒地に白の水玉がシックなクロハコフグなどです。
その他にも泥棒や犬のような顔をしたコクテンフグなどもよく見かけますが、調べて見るとハコフグ科とは異なるフグ科だそうです。
言われてみればそんなに四角くないので「コクテンフグはハコフグではないんだ」となんとなく納得してしまいます。
佐良浜の漁師はハコフグをクータンマと呼んでいます。
色は全然違いますが、ミナミハコフグもクロハコフグもクータンマです。
クータンマとは佐良浜の言葉で枕の事です。
四角い身体が木製の枕に似ていることから付いた名だそうです。
伊良部島でハコフグに出会ったときは、フグを枕に眠る事を想像して癒されてください。(2021.04.26)
クロハコフグ



<海浜流>
海には潮の流れがあります。
毎年伊良部島でも海難事故が起きていますが、実際事故にならなくても「危なかった」とか「ビビった」という人は多いのではないのでしょうか。
一般に「潮の流れ」とは12時間程度の周期で起こる潮の満ち干に伴う流れの事をいうそうです。
その他にも黒潮や親潮などと呼ばれる流れや、季節によって変動して一方向に流れる「海流」も「潮の流れ」だそうです。
琉球大学の調査資料によると、もう一つの流れは「海浜流」と呼ばれる流れで、波が砕ける事によって生まれる流れの事だそうです。
例えばリーフの先で砕けた波の残ったエネルギーが流れに変わって沿岸に押し寄せる流れもその一つです。
台風などでは大きなエネルギーで速く、力の強い波が打ち寄せるため「海浜流」も強く速くなります。
確かに海が荒れた後などに、海に入るとリーフを超えた波のスピードに身体を持って行かれてしまいます。
中の島海岸など身近なビーチでも海浜流は起きます。
地形によっても波が生み出す流れは規模やパワーが変わってきます。
入った波は出ていくことになるので、沖へ向かう水路に離岸流も発生します。
泳ぎに自信のある人でも、いざという時にはパニックになります。
国会答弁ではありませんが、いずれにしても「君子危うきに近寄らず」で、台風の後などは波が低く見えても海に入らない方が良いと思います。(2021.05.08)
海浜流



<ネムノキ2>
昔、伊良部島では各家にヤギが飼われていました。
もちろんペットという訳ではありません。
主に乳を採るためで、お祝いの時はつぶされてヤギ汁になります。
ヤギのエサは植物です。
ヤギの好物はクチナシやクワなどですが、結構何でも食べたそうです。
ヤギのエサ取りは子供の仕事でした。
そんな中でヤギには食べさせてはいけないのはネムノキです。
昔のおじぃの話によると、刈ったばかりのネムノキは大丈夫だそうですが、時間が経つと熱をもつそうです。
そんなネムをヤギが食べると毛が全部抜けてしまうそうです。
馬もネムノキを食べると尻尾が無くなってしまうとか。
まるよしを毎年訪れる常連さんの中にも、見かける度に頭が淋しくなっている人もいますが、まるよしでネムノキを食べた訳ではありません。
まるよしは郷土料理の宿と言われていますが、郷土料理にネムノキは使用していませんので安心してください。(2021.05.28)
ネムノキ



<ハマユウ>
ビーチに行くとモンパやアダンの木の間に優雅に咲く白い花があります。
ハマユウの花です。ハマオモトともいいます。
人生の先輩にあたる年代の方は、ハマユウと聞いて、はしだのりひことシューベルツのさすらい人の子守唄や女優の浜木綿子を思い浮かべる人もいると思います。
ハマユウの花言葉は「どこか遠くへ」と「汚れのない」との事なので、まさしく「さすらい人の子守唄」や若き日の「浜木綿子」を連想させます。
ハマユウは日本では黒潮に直面した沿岸部の砂丘に自生しているとの事です。
花が咲くのは夏で、日が落ちてから強い香りを放ちます。
ハマユウが咲く時期にまるよしを訪れた方は、夕日を見に行く時にハマユウの花も探してみてください。
そして、はるか遠くの伊良部島の海岸で、汚れのない花を見て色々想いを巡らせてください。
佐和田では今のおじぃ・おばぁが子供だった頃、ハマユウの茎から薄い皮を取って、風船代わりに遊んだそうです。
伊良部島ではハマユウの事をサディフと言います。(2021.06.01)
ハマユウ



<イトヒキアジ>
生き物の中には子供の時の姿と大人の姿が似ても似つかない物がたくさんいます。
オタマジャクシとカエル、芋虫と蝶などがすぐに思い浮かびます。
魚の世界にもそんな生物がたくさんいます。
姿が全く違うわけではありませんが、イトヒキアジもそんな魚です。
海の中を泳ぐのは独特の感覚で、浮力と重力の狭間で身を任せていると、空を飛んでいるように感じるときもあります。
特に透明度の高い、伊良部島の深みで海の底を見下ろすとそんな感じが味わえます。
そんな時、イトヒキアジの幼魚に遭遇するとびっくりするかもしれません。
イトヒキアジの幼魚はヒレが長く、ユラユラ泳ぐ姿はまるで妖精です。
突然ピーターパンの物語に入って、ティンカーベルに出会った気分です。
是非あなたも美しい海の中でイトヒキアジの幼魚に出会って、ウェンディやピーターパンの気分に浸ってください。
そして時間が停まったネバーランドのような世界で、コロナで心が沈みがちな現実の世界を離れて心癒されてください。(2021.06.05)
イトヒキアジの幼魚



<ツノダシ>
伊良部島、下地島のサンゴの海の潜ると色とりどりの魚に出会えます。
そんな魚の一つがツノダシです。
鮮やかな黄色と真っ黒の縦じまのコントラストが美しい魚です。
ツノダシは長く伸びた背びれが印象的で、一度見たら忘れられません。
似たような形状の模様の魚にハタタテダイがいますが、ツノダシは地の色が黄色ですが、ハタタテダイは白です。
ハタタデダイの名前の由来は見た目の通り、背びれを旗に見立てています。
一方、ツノダシの名前は「背びれが角の様」のためとか、「目の脇から2本の棘がでるため」とか、「口が角のように突き出ているため」とか言われていますが、正解は不明です。
ちなみに外国語の学名は背びれの形から「鎌」の意味だそうです。
ツノダシは2匹でユラユラ泳いでいる姿が見られ、仲の良いカップルに見える事もありますが、実際に男女のカップルなのか、家族なのか、お友達なのか、他人なのかは不明です。
不明だらけのツノダシですが、見た目はハッキリスッキリと解りやすい外見です。
佐良浜の漁師はユヌンプと呼んでいるそうですが、ユヌンプとは佐良浜の言葉で「天秤」のことだそうです。
天秤の竿が背びれに似ていることから付いた名前です。
たしかに背びれの先に分銅がぶら下がっている所を想像すると、まさに「天秤ばかり」です。
今の時代の人は「天秤ばかり」を知らない人も多いと思いますが、驚いた事に実際に長い背びれを持ち上げてバランスをとるそうです。
色々な名前で呼ばれるツノダシですが、遭遇した際には「角」「鎌」「天秤」のどれが一番ふさわしいのか考えてみてください。(2021.06.09)
ツノダシ



<ヒルガオ>
ビーチに行くとモンパやアダンの木の根元から砂浜にツルが伸びて可憐な花を咲かせています。
ヒルガオの花です。
「伊良部島の植生」に関する調査の報告書の中に、海岸の植生に関しての記述があります。
それによると伊良部島の海岸は冬場の季節風と潮風をまともに受ける白鳥崎方面の北の海岸線や、サンゴ岩が隆起した岩礁地や、砂浜がある海浜地などがあって、それぞれに育つ植物も違ってきます。
ヒルガオはその中でも海浜地に多く見られて「海浜植生」を形成します。
代表的な海浜植生は、海から砂浜、グンバイヒルガオ群落、ハマゴウ・スナズル群落、クサトベラ群落、アダン群落、モクマオ・ギンネム群落、耕作地と続くとのことです。
そんな訳で、簡単に言えばあまり季節風の影響を受けない、砂浜の海岸に行けばヒルガオが見られるわけです。
伊良部島の海岸に生えるヒルガオはグンバイヒルガオです。
葉は先端に浅く切込みが入る楕円形で、軍配に似ているため軍配昼顔の名前がついたそうです。
ちなみに学名も葉の形からは「ヤギの足」を意味する名前が付いたそうです。
グンバイヒルガオは花も可憐ですが、葉っぱの形を見るのも楽しいかもしれません。
余談になりますが、ヒルガオと言えば、カトリーヌドヌーブ主演の映画「昼顔」を思い浮かべる人もいるかもしれません。
昼は娼婦、夜は貞淑な人妻の二重生活を描いた映画で、原題を直訳すると「日中の美女」でヒルガオ科の「三色朝顔」の事だそうです。
昼間に咲くことから「昼間に稼ぐ娼婦」いう意味だそうで、日本語の題名「昼顔」も言い得て妙です。
ヒルガオの花言葉には「情事」というのもあるそうなので、浜辺で可憐な花を見つけても妄想を膨らませてどきどきしないでください。(2021.06.21)
グンバイヒルガオ



<前浜の砂>
近年、宮古島前浜の砂浜の浸食が問題になっています。
東急リゾートの前は砂浜がほとんどなくなり、ホテルの遊泳区域も南側への移動を余儀なくされています。
原因は2018年頃からの台風で砂が運び去られたとの事の様ですが、1990年代にも同じような現象が起きて琉球大学の調査が行われました。
台風の右側は風が強くなります。
調査によると、前浜の砂は通常、島の西側を通過する台風で運び去られても、島の東側を通過する台風や冬の北からの季節風で徐々に回復して安定は保たれてきたそうです。
しかし、1990年代半には宮古島の南西を通過する台風が多かったため、強烈な南西の風と高波によって大量の砂が運ばれました。
台風の進路だけでなく、南西方向にリーフエッジがある地形がもたらす海浜流という強い流れの影響もあるとの事です。
調査では「港湾構造物など人工的な要素も一因になるのではないか」との可能性にも触れています。
ところで運び去られた砂はどこへ行ったのでしょう。
伊良部島では、今まで大潮の干潮時しか出現しなかった17エンドの幻の砂浜が日常的に見られるようになったのは、伊良部大橋の工事が原因だと囁かれています。
渡口の浜に向かう途中のビーチにも明らかに砂が増えました。
伊良部島に向かう伊良部大橋の左手の久松の沖には、干潮時に砂の浜が出現するようになりました。そのうち久米島のはての浜のようになるのでしょうか。
それらの砂が前浜ビーチの砂だったかは不明ですが、地球温暖化による台風の発達や人工物な構造物の設置が大きな変化を引き起こしているのかもしれません。(2021.06.25)
前浜の砂



<ナメクジ>
伊良部島を散策すると落葉が溜まった場所や地面に落ちて朽ちた木の辺りにナメクジが見つかります。
ナメクジにも色々な種類があるようですが、これはアシヒダナメクジというナメクジだそうです。
内地で見かけるナメクジより大きさも見かけも大分違います。
背中は黒っぽい色で、真ん中に黄色っぽい筋があります。
南国の生き物らしく、大きさも巨大で存在感たっぷりです。
厳密にはナメクジとは違う種類だそうですが、見るとやっぱりナメクジです。
下地島のゴルフ場のグリーン上でも、よく見かけます。
物の本には他のナメクジより粘液質が少ないと書いてありますが、芝生の上の這ったあとは透明のべとべとのゼリーのようです。
ナメクジを好きな人は少ないので、滅多なことでは食べないと思いますが、巨大なカタツムリのアフリカマイマイと同じように有毒の寄生虫がいるそうなので、気を付けなくてはいけません。
伊良部村史の伊良部島の民間療法には書かれていませんが、漢方では夜尿症やぜんそくなどに効くと言われています。
沖縄では摂取しないように注意喚起しているので、おねしょする人もゲテモノ好きな人も食べない方が良いと思います。(2021.06.29)
ナメクジ



<魚の顔>
伊良部島の海では様々な魚たちに出会えます。
つい派手なカラーや動きに目が行きがちですが、よくよく見ると様々な顔に出会えます。
魚の顔はみんな同じと思っている人もいますが、色々な顔つきがあります。
そんな訳で、顔をジッと見比べてみるのも面白いものです。
下唇が上の唇に比べて突き出した人を、俗に「さかなくちびる」と言いますが、魚がみんな魚唇という訳ではありません。
魚にとってはいい迷惑かも知れませんが、ガンを飛ばしたような凶暴な顔や泥棒のような顔と言われる魚もいます。
凶暴な顔の代表はゴマモンガラです。卵を守っている時期は性格も凶暴になるとの事ですが、子供を守るためなので仕方ありません。
泥棒の様とか、犬の様と言われるのがコクテンフグです。可愛い動きと、喜劇役者の泥棒のメイクのような顔に癒されます。
ニモで人気のカクレクマノミの顔を見ると、日本的な目元をしていて青年の武士の様です。
他の魚も良く見ると知り合いに似ていたりして、楽しくなります。
海に潜る際は、是非魚の顔も観察して、知り合いの顔や面白い顔を見つけてください。(2021.07.03)
魚の顔ゴマモンガラ

魚の顔コクテンフグ

魚の顔カクレクマノミ



<アダン2>
南国の植物はブーゲンビレアやハイビスカスが有名ですが、海の近くで必ず見かけるのがアダンです。
伊良部島でのシュノーケリングや絶景巡りで必ず出会えます。
通り池へ続く遊歩道や白鳥岬など観光スポットでも、海に入る時の道で自生していて、葉っぱに棘があってチクチクします。
今は通行禁止になったイグアナ岩へむかう途中でもチクチクした人がたくさんいました。
アダンの実はヤシガニが食べる事でも知られています。
オレンジに熟した甘い香りのアダンが一周道路に散乱しています。
道に落ちた実には、ヤドカリやオカヤドカリも群がります。
アダンはいたるところにあって、昔から人の生活には欠かせない植物でした。
「伊良部島の有用動植物の記録」によると、葉はむしろや草履になったり、根っこはサシバを捕る道具や編んで袋にしたり、若い実はお盆のお供えにしたそうです。
アダンの群生地に育つススキを屋根に利用したり、葉の付け根にたまった水を飲んだりもしたそうなので間接的にも随分役立ったようです。
小笠原ではアダンと同じ仲間のタコの木の実を浸けてお酒にするそうですが、熟したアダンの実もトロピカルカクテルの原料になれば、更なる有用活用になるかもしれません。(2021.07.23)
アダン2



<サザナミヤッコ>
伊良部島の海ではカラフルな魚にたくさん出会えますが、色合いや模様も様々です。
それぞれの魚の色や模様には、それなりの意味や理由があると思われます。
目立つためのや、身を守るためなど理由を想像するのも楽しいものですが、難しいことを考えなくても、その姿を眺めるだけでも心ときめきます。
そんな魚の一つにサザナミヤッコがいます。
ブルーの蛍光色がオシャレな大人のムードの魚です。
他の魚と雰囲気が違って一瞬「あれっ」と思うようなアダルトな色合いです。
ランチを食べに行って、バーのお姉さまに出会ったような感じです。
コロナ禍で色々と話題になっている接待を伴うお店のネオンサインみたいにも見えますが、そんな模様でお客を呼んでいる訳ではなさそうです。
ちなみに子供の時代は全く違う模様で、カラフルなさざ波模様です。
サザナミヤッコの名前は幼魚の時の模様から付いたとの事です。
サザナミヤッコに限らず、自然の芸術は素晴らしいものです。
美しいサンゴを背景に優雅に泳ぐ色とりどりの生物を目当てに、美術館を訪れるような気持ちで海の中を巡るのも楽しいかも知れません。(2021.07.27)
サザナミヤッコ



<吉野おじさん>
伊良部大橋が開通して宮古島バブルが起きた今でこそ、宮古島の名前はたくさんの人に知る所となりましたが、それまで宮古島はマイナーでした。
石垣島の名前はみんな知っているのに、宮古島は名前さえ知らない人も多く、何処にあるか知っている人は、抜群に透明度の高い海を求めてくるコアな海好きだけでした。
その当時の宮古島はダイビングが主流で、シュノーケルをする人は少なかったように記憶しています。
そんな訳で、その頃有名なビーチは宮古島の前浜ビーチ、砂山ビーチなどの観光地でした。
南西楽園が開発途中のドイツ村近辺では今ではワイワイビーチと呼ばれる博愛ビーチやシギラビーチ、その先のインギャーや保良泉ビーチ、島の北東部の吉野海岸・新城海岸などは、当時、人影まばらな地元の人の憩いの場でした。
その中でシュノーケルのポイントとしてガイドブックに載っていたのは吉野海岸ぐらいです。
ちなみに伊良部島では観光では渡口の浜、シュノーケルでは中の島海岸だけが知られていたぐらいで、そのほかのビーチは島の人の潮干狩りや釣りなどの生活の場でした。
そもそも島の人にとって海は生活の場で、生活の為に多少のサンゴが壊れても再生可能な範囲だったと言われています。
そんな当時でも、吉野海岸では後に吉野のおじさんと呼ばれるおじさんが居て、サンゴの上に立とうものなら笛を鳴らして自然破壊に注意を与え、海岸に来る観光客には打ち上げられたサンゴの欠片で作ったアクセサリーを渡しては、環境保護のレクチャーをしていたものです。
まるよしの常連さんも、吉野おじさんとはビーチで出会う度にレクチャーを受けたそうです。
生活以外の目的でキャパを超えて人が訪れるようになると、島の人が気が付かないうちにビーチは姿を変えていきます。
吉野おじさんは島の人ではありませんが、その当時から宮古島の貴重な資源に気付いていて、警鐘を鳴らしていた先駆者です。
伊良部島でも中の島海岸をはじめ、色々なビーチで似たような事がおきています。
吉野おじさんは今の吉野海岸の姿を見て、どういう思いなのでしょうか。(2021.08.16)
吉野おじさん



<スイジガイ2>
沖縄らしさの代表として、魔除けがあります。
そう言われてすぐに頭に浮かぶものが、シーサー、石敢當とスイジガイです。
スイジガイは宮古島市の市の貝にもなっていて、宮古島ではおなじみの貝です。
殻が固くて丈夫なので、装飾品や貝細工の材料として利用されて、土産店でも見かけます。
今ではあまり聞きませんが、スイジガイは食用にもなるそうです。
そういえば、まるよしにお泊りの際に近くのヤング理髪店を訪れたお客さんが、店主から「昔はスイジガイの仲間のクモガイをとってたくさん食べた」という話を聞いたそうです。
当時クモガイ、スイジガイは下地島のビーチにはごろごろいたそうですが、いまでは数が少なくなって、なかなか遭遇することはありません。
貝の形が独特なのですぐに見つけられそうですが、上から見ると壊れたサンゴとの区別がつきません。
なかなか見つからない分、見つけた時の「やった感」は特別です。
海にお出かけの際は、色とりどりの魚との出会いを楽しむほかに、スイジガイ探しはいかがですが。
海の楽しみもひろがりますし、運が良ければ魔除けに出会えるかもしれません。(2021.08.20)
スイジガイ2



<ハイビスカス2>
沖縄の花の代表と聞かれれば、ハイビスカスを一番に挙げる人が多いと思います。
沖縄旅行のパンフレットや旅番組には必ずと言っていいほど、ハイビスカスが映っています。 宮古島、伊良部島でもそこら中にあって、街路樹や生垣などでも楽しめます。
沖縄では「あかばなぁ」と呼ばれると事が多いようですが、その名のとおり赤いハイビスカスが南国の強い日差しに映える姿が目に浮かびます。
このようにハイビスカスと言えば赤を連想する人が多いと思いますが、伊良部島では赤の他にもピンク、黄、白などの色のハイビスカスにも出会えます。
花びらも一重でなく八重の物もあります。
ハイビスカスの花はハイビスカスティーとしても有名ですが、かつて「ほがらかや」を利用した「ずうずうぱるんかい(さー畑にいこう)」という名のひととき散歩のメニューではハイビスカスの花の天ぷらもメニューになりました。
まるよしへお泊りになって散歩にお出かけの際には、色々なハイビスカスの花を探してみてください。
そのうち「きれい」だけでなく、「美味しそう」と思うかもしれません。(2021.08.24)

黄色のハイビスカス

ハイビスカス2



<サンゴの森>
海に潜る楽しみの一つは色とりどりのトロピカルフィッシュとの出会いですが、サンゴの美しさも魅力の一つです。
どこの島でも同じと思いますが、昔、海に入るのは生活のためでした。
今と違って余暇の時間などは無いに等しく、生きるための生活が中心です。
島の人が潮干狩りなどで海に入る頻度も必要最低限に近いので、サンゴも多少踏まれても再生できる状態だったと思われます。
島の外から人が押し寄せる事が無かったことなどは言うまでもありません。
そんな事もあってか、伊良部大橋が架かる前の伊良部島・下地島のサンゴは良好な状態で保たれていました。
中にはほとんど手つかずの状態で残っている場所も、数多くありました。
伊良部大橋が架かって、宮古島バブルが始まるのに比例して、伊良部島を訪れる観光客は倍増どころか10倍増の勢いです。
訪れる人が増えると、当然海に入る人が増えてサンゴも傷んで行きます。
知名度が一番の中の島ビーチでは、背の立つ範囲のサンゴは全滅状態です。
このままでは、他のビーチでも同じような状態になるのは、時間の問題だと想像されます。
何らかの対策が必要と思われますが、今後どうなっていくのでしょう。
少なくとも今の状態が保たれれば良いのですが、最悪の状態になる事を考えて、美しいサンゴの森を今のうちに目に焼き付けと置いた方が良いかもしれません。(2021.08.28)
サンゴの森

珊瑚の森



<イカ>
伊良部島、下地島の海に潜るとイカに遭遇します。
身体は透明で、ヒレをひらひら動かす可愛いしぐさをします。
イカの種類にもよるようですが、団体でいる事が多いようです。
ついトロピカルな魚に眼が行きがちですが、よく目を凝らすとダツやサヨリ、タイの仲間などのように、地味な魚もたくさん見つかります。
そういう魚を見ると食欲をそそられて「美味しそうなイカがいた」などと話している人もいます。
ダツを食べた事はありませんが、食用になるそうです。
冬場はイカを目当てに釣りをする人も多いようです。
下地島空港の一周道路は車両通行止めになって、釣り人の数は激減しましたが、佐和田漁港辺りで結構釣れるそうです。
潜りが目的のまるよしの常連さんもイカ釣りにチャレンジしましたが、残念ながらと言うより予想通りぼうずでした。
まるよしには釣りを目的にした方もたくさん宿泊します。
まるよしに連泊された釣り好きの俳優さんは連日、長山港に通いました。
海に潜るのもお勧めですが、釣り好きの方は佐良浜、長山、佐和田の漁港巡りも楽しいかも知れません。(2021.09.25)
イカ



<パッションフルーツの花>
南国の果物にもいろいろありますが、パッションフルーツもその一つです。
沖縄のJAによると「アメリカ大陸の亜熱帯地区が原産とされており、現在では、熱帯地区、亜熱帯地区の広範囲で栽培されている」との事です。
和名はトケイソウというそうですが、花が時計のような模様になっているからと言われています。
伊良部島ではパッションフルーツはパッションフルーツと思われますが、種子島ではトケイソウと呼んでいるとの話もあり、呼び方の境界が鹿児島県と沖縄県の間にあるのでしょうか。
英語ではパッションフラワーという事から、パッションフルーツと呼ぶようになったそうですが、そのパッションは情熱の意味のパッションではなく、キリストの受難から来ているそうです。
そういえば、マッドマックスやリーサルウェポンで有名なメルギブソンが監督したパッションと言うキリストの受難を題材とした映画がありました。
この名前の由来も花が十字架に似ているところから来ているそうです。
パッションフルーツの味は知っていても、なかなか花は見たことはないと言う方も多いと思いますが、伊良部島で花を見た際には、時計なのか十字架なのか考えてみるのも楽しいかもしれません。
花の事はともかく、「パッションフルーツは非常に栄養価が高く、特にカロテンが多く含まれており、風邪の予防、目の疲れ、美容に効果がある」とされているので、コロナ対策にも良さそうです。
伊良部島でも是非味わってみてください。
誰と食べるのかは知りませんが、盛り上がったら、名前の由来とは違いますが、情熱的になってもオーケーです。(2021.09.29)
パッションフルーツの花



<島の形>
伊良部島に関する本やガイドブックなどを見ると、伊良部島の形はハマグリに似ていると書かれているものがあります。
別の記述には、伊良部島と下地島を併せて、チョウチョが羽根を広げている形というのもあります。
島の形では、内閣府の「日本の国境に行こう」というサイトで「牛の形をした山口県最北端の島・見島」とか「五島列島南部、馬蹄形の久賀島」というのもあります。
先島諸島の離島には、ハートの形をした黒島というのもあります。
そう言えばだいぶん前に竹富島でロケをした「つるかめ助産院」というドラマのオープニングの映像に黒島が登場したと記憶しています。
調べて見ると、「つるかめ助産院の舞台はハート形をした美波間(みはま)島とされていますが、実際の撮影は主に竹富島で行なわれ、その他にも石垣島、黒島などで行なわれました」との事です。
話は横道にそれましたが、小浜島も良く見ると、犬がお座りをしているようにも見えます。
島ではありませんが、宮古島の西平安名崎をカニのハサミに例える人もいます。
軍艦の形では、長崎の軍艦島が有名ですが、伊良部島周辺に点在する津波石にグンカンジーと呼ばれている岩もあります。
伊良部島の渡口には亀島があります。
こんな風に島の形を別の物に例えたらキリがありませんが、中には誰もがなるほどと納得するネーミングがあります。
宮古諸島のそれぞれの島や場所にも色々な呼び方が出来そうです。
旅の記念にあなただけのネーミングを考えてみてください。
いつのまにか、その名前が全国区になっているかもしれません。(2021.12.22)
亀島



<しまやまひはつ>
まるよしの駐車場は今年秋、コンクリート舗装しました。
駐車場にあった植物はいくつか姿を消しましたが、良く見ると、まだ様々な植物が育っています。
そんな中にしまやまひはつがあります。
聞き慣れない方が多いと思いますが、漢字では「島山篳撥」と書きます。
チョー難解で、漢字の書き取りは出来ませんが、調べて見ると「ヒハツ(篳撥)とは、コショウ科のヒハツの果実で、沖縄ではビバーシあるいはビバーツとも呼ばれ、沖縄料理にでてくる長胡椒のこと」と書いてあります。
平良では「とぅすぷぎー」と言います。
宮古島では、しまやまひはつの実を売っている市場もあります。
昔は皆、家庭で泡盛に漬けて果実酒を作っていたこともあり、市場では懐かしいと手に取る姿も見うけられます。
手作り感覚は、本土で作る梅酒みたいなものでしょうか。
そんな話を聞いたまるよしの常連さんは、興味しんしんに眼を輝かせて、早速、実を採って泡盛に漬けたそうです。
上手くできるかどうかはお楽しみですが、果実酒以外にも「実は黄緑色から橙色、赤色、紫色と変わり、熟すと黒紫色になる。一斉に熟すわけではないので、カラフルで観賞用としても楽しめる」とあります。
たしかに、たくさんの色の実が一時に楽しめて、得した気分になります。
まるよしにお越しの際は、駐車場の植物にも目を向けてみてください。
島山篳撥の他にも、思わぬお宝に出会えるかもしれません。(2021.12.26)
駐車場のしまやまひはつ

しまやまひはつの実



<シマハギ>
シュノーケルすると必ずと言っていいほど遭遇する魚にシマハギがいます。
単独で見かける事も有りますが、群れでいる事の方が多いようです。
時には数えきれないほどの数でサンゴに群れている姿は、集団催眠にかかったような宗教的な儀式を見ているようです。
シマハギの集団に遭遇すると、こちらも魔法にかかったように見とれてしまい、思わず後を追ってしまいます。
個人的には夕方に大量のシマハギが狂ったようにサンゴをガツガツやっているのを目撃するので、夕方に食事をするのかと思いましたが、調べてもそんな情報はないので、時間に関係なく乱舞しているのでしょうか。
シマハギの大群の中には、別の魚が混じってガツガツやっていることも多いようです。
中には凶暴な顔をしたゴマモンガラがいる事もあり、盗賊の集団を率いる親分のようです。
シマハギの英語名は囚人の意味だそうなので、あながち、はずれた見方ではないかもしれません。
しかし囚人の名前は、その生態から付けられたわけでなく、縞模様が囚人服に似ているからだそうです。
下地島一番の人気スポットの中の島海岸でも毎日、狂乱が起きています。
訪れた際には、カクレクマノミで満足しないで、シマハギの乱舞をご見物ください。(2022.01.03)

中の島のシマハギ

シマハギ乱舞



<アフリカマイマイ2>
伊良部島をゆっくりと散策して、道端の可憐な花に目を向けると視線の先に大きなカタツムリの殻が見つかります。
「やっぱり暑い所はカタツムリもでかいな」という訳ではありません。
1930年代に台湾から食用目的で導入されて、沖縄の各地に住み着いたアフリカマイマイです。
昔、アフリカマイマイは貴重な食糧源でした。
普段は石積の隙間などに隠れています。
雨が降ると出てくるので、昔はバケツを持って畑に行って捕ったそうです。
雨が降った後に捕るとエサを食べているので糞が詰まっていますが、晴れた日には殻に蓋をしているので晴れの日に捕ったという話もあります。
炊いたり、煮込むと美味しいそうです。
天然記念物に指定されているオカヤドカリはサザエの殻を背負っている事が多いですが、アフリカマイマイの殻に入っているのもいます。
アフリカマイマイには危険な寄生虫がいて、食用には十分気を付けなくてはいけません。
沖縄では2000年に全国で初めて死者も確認されました。
食べる事も危ないですが、触っただけでも感染する可能性があるので、珍しいからと言って軽い気持ちで触ってはいけません。
万が一触ったら、コロナの予防のように手をしっかり消毒してください。(2022.01.11)
アフリカマイマイ



<渚散策>
冬に伊良部島に来られた方は、海に入れないのでつまらないと思っている人もいると思います。
確かに海に入るにはウェットスーツなどそれなりの装備がないと厳しいかもしれません。
そんな時にお勧めなのは浜辺の散歩です。
冬に限らず、海に入って泳いだり潜ったりしなくても、浜辺を散策するだけでも楽しいものです。
かえって冬の時期の方が海に入る考えをスパっとやめられるので、散歩に集中できます。
散歩に集中というのもなにか矛盾していますが、興味のある場所をとことん探検できます。
日常を忘れて、別の世界に浸れます。
夏の真っ盛りよりも、海岸に長くいても暑くないので快適です。
単なる砂浜のお散歩やビーチコーミングなども楽しいですが、潮だまりにも目を向けてください。
潮だまりは天然の水族館です。
ジッと潮だまりを見つめていると、今までサンゴの隙間に隠れていた、小さな生き物が動き始めます。
引き潮の時に、あちこちのビーチに出現する潮だまりの探検はこの季節のいち推しです。
同じビーチでも、それぞれの潮だまりがみんな別の世界です。
冬に訪れたあなたも、飲み物とおやつをもって、引き潮の時間に合わせて伊良部島・下地島の小さな水族館巡りをしてみてください。
足を水に浸けても冷たくありませんよ。(2022.01.27)
ピサラブの潮だまり


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<チョウセンサザエ>
大潮の引き潮の潮干狩りの獲物にも沢山ありますが、一番はサザエです。
伊良部島のサザエは内地のサザエと違って棘のような突起物はありません。
沖縄のサザエはサザエでもチョウセンサザエといいます。
調べて見て初めてしりましたが、別に朝鮮半島で採れるからそういう名が付いたのではないそうです。
江戸時代の貝図鑑の「目八譜」によると、内地で採れるサザエと似ているが「違いが目につく」という意味合いからそのような呼び方になったと物の本に書いてあります。
見た目や名前が違っていても、味は絶品で美味しく食べる事ができます。
つぼ焼きが一般的ですが、醤油をちょっと垂らして、器にいれ電子レンジでチンすると簡単にできます。
チョウセンサザエは伊良部島の商店でも売っているので、一度お試しください。
ただし、蓋が飛ぶこともあるので、ラップなどで厳重に覆うことが必要です。
ひと昔前は、潮干狩りにいくと、潮が引いたサンゴの隙間や穴にはサザエが必ずいたそうです。
今では数も減りあまり見かけませんが、仮に見つけても大きさ制限があって漁業権に引っかかる場合があるので手を伸ばすことはお勧めしません。
チョウセンサザエの貝殻の蓋は石灰質で膨らんでおり、昔はおはじきにもなりました。
サザエの殻の内側は真珠層といわれる白みがかった美しい銀色をしていて、ヤコウガイの貝殻と同じく、貝ボタンの材料となるそうです。(2022.02.04)
サザエ



<西海岸>
観光で伊良部島をはじめて訪れる方は、ガイドブックに載っている景勝地を巡る事になると思います。
それは当然の事ですが、伊良部島に興味を持った方は是非、あまりガイドブックには紹介されていない伊良部島の西海岸にも足を運んでみてください。
かつて西海岸の一周道路と言えば、白鳥崎、フナウサギバナタ、イグアナ岩、三角点に行くには必ず通る道で、伊良部大橋が架かる前は佐良浜にフェリーが着くと時計と反対廻りに伊良部島、下地島を一周するのが定番でした。
ちなみにその頃はまだ、下地島空港の管理道路は車の通行が可能で、大型の観光バスも通っていました。
しかし今は、管理道路は車両通行止め、白鳥崎の遊歩道も老朽化して橋が通行止めになって、遊歩道は名ばかりになっています。
フナウサギバナタでフォトスポットとして人気のあったサシバの展望台も「サシバの羽根が落下して危険だ」という事で展望台の上部のサシバが撤去されました。
イグアナ岩も三角点も立入禁止になりました。
そんな訳で西海岸の一周道路は単にドライブで通過するのみの方が大半のようです。
しかしガイドブックに載っていなくても、たとえ有名な場所に立ち入れなくても、西海岸には見所が一杯です。
白鳥崎のあずまやの先には海岸に降りる道が何本かあって、あずまやから見渡す景色とは違った景観に出会えます。
西海岸のあずまや付近には潮吹目(スーフツミー)や豊見氏親の足跡などの呼ばれる場所ありますが、そのあたりから見る白鳥崎方面の海岸は絶景です。
特に引き潮の時は更に美しく、伊良部島のタクシー会社のパンフレットにはあずまやから白鳥崎に向かう下り坂が「海へつっこみそうな道」と紹介されています。
ここらは夕日の絶景の隠れたポイントにもなっています。
フナウサギバナタの展望台のサシバは姿を消しましたが、池間島を望む景観は雄大で美しく、ウミガメの姿も見られます。
近くにはシンビジの海に続く小道があって、終点の先には絶景の海がひろがります。
この辺りはヤシガニがたくさん出没する道です。
真冬の西海岸は北風が強く、海が荒れてしぶきがかかる事も有りますが、それもその季節独特の景観です。
季節にかかわらず、是非西海岸の道を探索してみてください。
散歩やジョギングにも良いですよ。(2022.02.24)
シンビジ



<イソヒヨドリ2>
イソヒヨドリはイソの名前が付くとおり、海岸近くでよく見かけますが、まるよしの近くでも良く見かけます。
ヒヨドリと聞くと、畑のギャングなどと言われるとおり、ふてぶてしい姿を思い浮かべる人が多いと思いますが、イソヒヨドリは違います。
ヒヨドリよりちょっと小振りで、よく見ると美しいおしゃれな姿をしています。
ヒヨドリはグレーが基調ですが、イソヒヨドリは背中側が濃い青で、おなか側は赤っぽく、翼は黒です。
伊良部島観光で17エンドを訪れる方も多いと思いますが、イソヒヨドリに会える確率はかなり高めです。
17エンドの絶景も素晴らしいですが、イソヒヨドリにも眼を向けて、鳴き声に耳を澄ましてみてください。
イソヒヨドリは全国各地で見られますが、伊良部島の美しい海で見るイソヒヨドリとその鳴き声の美しさが特別と感じるのは身びいきでしょうか。
海まで行かなくても、まるよしの近くで夜明けと共に美しい声が響きます。
スズメのさえずりをコーラスにメインボーカルが「朝だよ」と歌っているようです。
イソヒヨドリの声が目覚まし代わりになる贅沢を堪能してください。(2022.03.28)
イソヒヨドリ2



<野トマト>
3月、まるよしのランチの付け合せにミニトマトが添えらました。
一見ミニトマトですが、空き地に自生しているもので、栽培して収穫したものではありません。
畑やハウスのイチゴに対して野生のイチゴを野イチゴというように、野トマトと言う人もいます。
まるよしではトマト狩りに行くと言って野トマトを採ってきますが、伊良部島では昔から野生のトマトを採っていました。
トマトのほかにも野生のイチゴやブドウも採って食べていたそうです。
そんなトマトの事を、佐和田や長浜の集落ではクリッピンと言うそうですが、今となってはなんでそんな名前で呼ばれているかはよくわかりません。
そんな訳で実際、トマトなのかどうかも解かりませんが、味は絶品です。
まるよしでは野トマトに限らず、その時期に採れる季節ものが添えられる事があります。
そんな時はラッキーと思って、その時の季節や昔からの伊良部の味をお試し下さい。(2022.05.15)
野トマト01

野トマト02



<星空観賞2>
伊良部島の夜の楽しみ方に星空観賞があります。
宮古島、伊良部島には高い山もなく、当然のことながら高いビルもなく、平坦で空が広く広がります。
宮古島は大平山の名の通り、昔から平たい島で有名でした。
宮古島のオプショナルツアーでは、伊良部大橋が架かる前から星空の鑑賞ツアーがあったようですが、橋が架かるとわざわざ伊良部島までやってくるツアーも生まれました。
伊良部島では料金が架かる星空ツアーの話はあまり聞いたことがありませんが、リゾートホテルがたくさん建設された今では、そんなツアーもあるのかもしれません。
まるよしにお泊りの方は、まるよしの屋上でも十分鑑賞可能です。
とはいっても、まるよしは伊良部島の中心地の国仲の集落のど真ん中にあるので、街の灯りが気になる方もいるかもしれません。
そんな方は、夜のお散歩に出かけると満天の星空に遭遇できるチャンスがあります。
レンタカーがある方は街の灯りが届かない、下地島方面などでも素晴らしい星空が見られます。
運が良ければホタルとのコラポレーションやヤシガニとの遭遇もあるかも知れません。
お酒を召し上がった方は車をあきらめて、お散歩にお出かけください。
伊良部中学があった場所の裏手の農道までちょっと足を延ばして、道路に寝転ぶと別世界に来たような感覚を味わえるかもしれません。
昼間の観光やビーチアクティビティでお疲れと思いますが、是非夜空を見上げる事をお勧めします。
伊良部島の楽しみ方がまた拡がります。
その辺の話は「伊良部を歩く旅」の夜のお散歩コースをご参照ください。(2022.05.27)


【星を見に行く「夜のお散歩コース」はこちらから】

ヤシガニ



<伊良部の砂浜>
宮古島・伊良部島の海は沖縄の中でも綺麗だと言われています。
宮古諸島は石灰岩が隆起した島なので、雨水は地面にしみ込んでいって川が無いためです。
海が綺麗いというだけでなく、宮古諸島の砂は他の島より白いとも言われています。
宮古島の前浜、伊良部島の渡口の浜、最近では17エンドに干潮時に出現する砂浜も有名です。
ところが、その砂も黄色くなったという人もいます。
原因は畑の赤土が海に流出したためだと言われています。
それでは赤土はどうして海に流出したのでしょうか。
サトウキビ畑の土地改良で、今までより深く掘ったため土の行き場が無くなったためです。
宮古島の城辺から先の東平安名崎方面は昔、山があったそうですが、今では土地改良で真っ平になっています。
土地改良で生産性が上がって良かったこともありますが、今まで自然の力でバランスが取れていた地形に人為的な力が加わって、バランスが崩れて土が流出したという負の側面もあります。
いま伊良部島ではホテルが乱立して、下水の量が急増していると言われています。
土地改良に加えて急激な生活用水などの増加も、今までのバランスに影響を与えていると言われています。
佐和田の浜の水も濁ってきたと実感するひともいます。
白い砂は白い砂のままで残って欲しいと思うのは身勝手なことなのでしょうか。(2022.06.08)
佐和田の浜



<ヒメシャコガイ>
伊良部島で人気のシュノーケリングの楽しみは色とりどりの魚との出会いですが、時にはイカやタコ、ウミガメなど普段は出会えない海の生き物との遭遇もあります。
透明度の高い、手つかずのサンゴの海に身をゆだねるだけで非日常的な感覚を味わえる事が一番と言うひともいます。
なかには珍しい貝を探すことに熱中する人もいます。
貝は動かないため、シュノーケルなどで見つけた時に絶好の被写体になります。
伊良部島の海で出会える貝と言えば、宮古島市の市の貝になっているスイジガイや色々なタカラガイ、クモガイ、チョウセンサザエなどが、思い浮かびますがその中にシャコガイがあります。
国内の海に生息するシャコガイは5種とも6種とも言われていますが、伊良部島周辺の海で見かけるのはヒメシャコガイが一般的です。
シャコガイの中には殻の長さが2m近くになるオオシャコガイという超大型の貝もいますが、ヒメシャコガイの名前はシャコガイの中でも小型なのでその名前がついたそうです。
それでも殻の長さは平均17cm前後もあります。
ヒメシャコガイは岩やサンゴに埋没して美しい色とりどりの外套膜だけ外に広げている状態で見つかります。
外套膜の色が様々なのは、シャコガイと共生している褐虫藻の違いとのことです。
シャコガイは生活に必要な栄養素の多くを褐虫藻の光合成に依存しているそうです。
シャコガイは食用にもなり、15cm位のが一番美味しいというい人もいますが、採ると密漁になって手が後ろに回るので、見るだけにしておきましょう。(2022.08.03)
シャコガイ01 (1024x692) シャコガイ02



<十五夜コウモリ>
6月の終わり、長期滞在のお客さんに「今年のスーパームーンは7月14日だよ」との情報が入りました。
ところが、月と言えば、新月と三日月と半月と満月しか頭に無いので、スーパームーン言われてもピンと来ません。
そこで、スーパームーンについて調べて見ると、「月が地球に近づいて、一番大きく見える満月」の事で、スーパームーンの日は毎年変わるようです。
最近は月の呼び方も色々あるようで、ストロベリームーンとかフラワームーンとかやたらと横文字が飛び交ってさっぱり解りません。
月は一つですが、その他にもブルームーンとかピンクムーンとかもあるようです。
ややこしい話はよく解りませんが、7月14日がスーパームーンと知ってしまったお客さんは、暗くなるのを待ってまるよし近辺を徘徊しました。
当日雲が多少出ましたが、晴れの天気が続いた7月中旬は毎晩のように月が空に輝きました。
スーパームーンが刷り込まれたせいか、その夜の月は心なしか大きく感じられたそうです。
まるよし近くのホタルの道や星空の道などを散歩すると、満月の月明かりで星は光を弱めましたが、月明かりに誘われたのかヤエヤマオオコウモリが飛び交いました。
スーパームーンは一つのきっかけでしたが、久々の夜の散歩は島の空気が濃く感じられて気持ちよく、スーパームーンの情報に感謝です。
まるよしにお泊りの方も是非、満月新月に限らず、大きな空の拡がる伊良部島の夜のお散歩をお楽しみください。(2022.08.31)
スーパームーン

十五夜コウモリ



<ハリセンボン>
抜群に綺麗な下地島・伊良部島の海に入るといろいろな生き物に出会えます。
ダイビングをしなくてもシュノーケリングで十分です。
特に秋の海は透明度が高く、サンゴの海の中を覗くのには絶好です。
人それぞれ好みは違いますが、フグなどの癒し系の魚は誰にも人気があります。
胸ヒレをチョコチョコ動かしているハコフグの姿には誰もが癒されるでしょう。
そんな中で、最近あまり見かけないのはフグの親戚の様なハリセンボンです。
以前は遭遇率が高かったように記憶していますが、最近はなかなか出会えません。
ハリセンボンは高級魚なので、乱獲されたのでしょうか。
以前、まるよしでもアバサー汁のメニューがあって、沖縄から来るお客さんに人気でした。
ちなみにアバサーとはハリセンボンの方言です。
皆さんご存じと思いますが、ハリセンボンは一見フグに似ていますが名前の通り身体に棘があって、危険を感じると体を膨らませてハリネズミの様になって身を守ります。
針の数を数えたことはありませんが、千本はなさそうです。
北東の風が吹くときの下地島の西のビーチは透明度が高く、針の数まで数えられそうです。
秋の海は水温が少し下がりますが、充分海に入れます。
あなたも秋の海でハリセンボンを探して、針の数を数えて見てください。(2022.10.02)
ハリセンボン



<ムラサメモンガラ>
シュノーケルイングで必ずと言っていいほど出会える魚の一つがムラサメモンガラです。
美しい模様の南国らしい姿です。
浅瀬の砂地やサンゴ礁の岩の隙間にいます。
深さ30cmほどの所にもいるので、泳がなくても水に顔を付ければ見る事が出来ます。
ただし、いきなり襲って咬まれることもあるので、充分注意を払ってください。
物の本によると、縄張り意識が強いために自分の縄張りに入って来たものを攻撃するそうです。
まるよしの常連さんも、久米島のはての浜の美しい海で心の洗濯をしていた時に襲われて、洗濯どころではなくなったそうです。
伊良部島ではそんな話は聞かないような気がしますが、伊良部島のムラサメモンガラが縄張り意識よりも、共同生活の気持ちが強いという訳ではありません。
ムラサメモンガラは、子育て中に凶暴になる事で有名なゴマモンガラと同じ仲間なのでやはり気を付けた方が良いでしょう。
ゴマモンガラと比べると一見おとなしい顔で害はなさそうですが、人間社会でもそんな人ほど危ないと言う話もあるので、顔つきにダマされないでください。
スッキリした模様に加えて浅瀬で光が良く入る所にいるので、写真のモデルとしてもバッチリですが、危機管理はしっかりしてください。(2022.10.30)
ムラサメモンガラ



<サンゴの白化現象2022>
今年はというか、今年もサンゴの白化現象が報道されています。
最近では2016年にも大々的に報道されたと記憶しています。
2016年は宮古島へ接近した台風が少なかった訳ではありませんが、8月の終わりまで宮古島に接近した台風はなく、海水がかき混ぜられずに海水温が高くなったと勝手に思っています。
当時、下地島のビーチでは枝サンゴがまっ白になりサンゴの白い森が出現しました。
大潮の引き潮のビーチでは風呂に入っているような温かさでした。
今年は2016年ほどではありませんが、下地島のビーチでは白化現象が見られます。
2016年にもよもやま話で話題にのぼりましたが、白化現象は「水温が上がってサンゴやイソギンチャクと共生する褐虫藻と呼ばれる藻類がストレスで居なくなる現象」だそうです。
人気の中の島ビーチでも、ガイドが必ず案内するセジロクマノミが共生するイソギンチャクも白化しています。
いつもは緑色の触手の間に顔を覗かせるセジロクマノミが白くなったイソギンチャクの中にいて、コントラストがはっきりしてよく観察できます。
ビジュアル的に良いと言う人もいるかもしれませんが、本来の姿ではありません。
今年は9月から伊良部島に接近した台風が多く、今の海水温は低くなったように感じます。
しかし、地球温暖化は確実に進んでいます。
台風の発生位置が変わっていきなり沖縄近海で発生したり、イソギンチャクも白くなりました。
身近な変化を感じて、何が出来るかを考えたいと思っています。(2022.11.07)
中の島のセジロクマノミ



<ニガナ2022>
雨模様の天気が続く6月のはじめ、雨の合間を縫って久々に白鳥崎に言ってみると、数組の観光客のほかに伊良部のおばぁが3人、遊歩道の先にうずくまって何かを採っています。
話を聞いてみると、野生のニガナを採っているとのことです。
普段見かけるニガナと違ってやせて細身で小柄なので、「これがニガナなのか」と思ってしまいますが、採ったニガナを食べさせてもらうと、やっぱり苦いのでニガナに間違いありません。
おばあの話では海岸のニガナは砂地で栄養分が少ないので、痩せているとのことです。
調べてみると「ニガナは海岸沿いの岩場や砂地に自生する沖縄特有の島野菜の一つで 、ビタミンA・C、カリウムなどを豊富に含み、古くから薬草としても利用されてきた」とあります。
確かに海岸の砂地でダイエットしたニガナは、栄養素が凝縮していかにも身体に良さそうです。
ニガナは伊良部島ではンギャナといわれていて、しりとりが終らない言葉の一つになっています。
まるよしでも単品メニューに「にがなの白和え」と「にがなとまぐろの酢みそ和え」があります。
現在、居酒屋タイムは休業中ですが、復活の折には是非お試しください。(2022.11.11)
ニガナ白鳥崎



<イラブチャー>
10月の中旬、寒露が過ぎて北風が吹き始めた曇りがちの日、久々に東平安名崎に行ってみると着く頃には太陽が輝きだしました。
岬の北側の東シナ海は波立ち、風下の太平洋側はベタ凪にみえるほどの穏やかさです。
東に長く突き出た東平安名崎ならではの、海の対照の絶景です。
岬の突端の左手からパナリを望むと、引き潮に重なり海底が透けて見えるほどの透明度です。
サンゴの浅瀬を覗くとなにやら魚の群れが見られます。
見事に青い数十匹の群れが幾つか波間を泳いでいます。
結構高い岬からも良く見えるので、かなりの大きさです。
居合わせた地元の保良の人に聞くと、やはりイラブチャーとのことです。
見る事の出来るのはまれだそうで「ラッキーですね」と声をかけられて思わず顔がほころびました。
イラブチャーは宮古島の方言でナンヨウブダイのことです。
高級魚で宮古島の料理店で出され、鮮魚店でも売られています。
伊良部島に戻って漁師でもあるレストランの店主に話すと、イラブチャーは単独で居ることはまれで、通常は群れでいることが多いとのことでした。
観光で東平安名崎を訪れた際には、絶景を望むついでに眼下にも目を向けてみてください。
美しいイラブチャーに遭遇できるかもしれません。(2022.11.23)
東平安名崎イラブチャー

イラブチャー



<新種ゴキブリ>
昨年7月に宮古島固有の新種のゴキブリが緊急指定種に指定されたとの報道がありました。
「緊急指定種」という聞きなれない言葉とゴキブリとのギャップを感じて思わずしらべてみると、緊急指定種とは「新たに発見された種や絶滅したと思われていた種が再発見された場合など、特にその保存を緊急に図ることが必要な場合に捕獲などを禁止する緊急的な措置」との事です。
まるよしで夕食後に夜の散歩などをすると、道路でゴキブリに遭遇することがよくあります。
大きさは巨大で、内地見かけるゴキブリとは明らかに違います。
内地で見かけるゴキブリはチャバネゴキブリやクロゴキブリが多いようですが、伊良部島のゴキブリはオレンジ色の模様があります。
ゴキブリだという事を忘れれば、綺麗な模様なのでもっとよく見たくなります。
もしかしてこれが新種のゴキブリなのでしょうか。
今回指定された新種のゴキブリは「ベニエリルリゴキブリ」という名前で大きさは10cm以上もあるそうです。
ゴキブリを見ただけでギャーと叫んで逃げまくる人も多いですが、宮古島だけに住むレアものかも知れないなので、遭遇した場合は是非観察してみてください。
実際にネットオークションで販売されている例もあるそうです。
捕まえてお土産にしたいと思う人もまれにいるかと思いますが、「種の存続に重大な支障を生じさせる恐れがあるとしての緊急措置で、個体の捕獲、殺傷、譲り渡しなどの行為が規制」されています。
緊急指定種の指定の期間は3年間だそうです、捕まえるのは2年後の6月30日以降にしてください。
ただし絶滅危惧種や天然記念物に指定された場合には、捕まえる事は出来ないので、まるよしの夜のお散歩で探索するだけにしてください。
ちなみに写真ゴキブリがベニエリルリゴキブリかどうかは不明です。(2022.12.09)
ゴキブリ



<フカボリ゜>
下地島の北西にプゥル(ボリ゜)と呼ばれるビーチがあります。
島の人の憩いのビーチで、潮干狩りや釣りに訪れる場所です。
一周道路から離れているために、幸いまだ荒らされていませんが昔の姿が残っている数少ないビーチの一つです。
海岸一帯をプゥルと呼んでいますが、北側にボリ゜オコバナリと呼ばれる岩場があります。
ビーチからバナリの間の海岸は深みになっていて、フカボリ゜と言われています。
ここでは浅瀬、深み、リーフの全部を楽しむことができます。
深場にはサンゴ岩が点在しています。
サンゴ岩にはシャコガイがいることもあります。
深みの沖合はリーフになっていて、色とりどりの魚が群れます。
まるよしに通う常連さんも、かつて潮干狩りに行くまるよしのスタッフやビーチを知り尽くした佐和田のおじぃに案内された事があるそうです。
「興味のある方は是非探検してみてください」と言いたいところですが、この辺りは島の人の釣り場や潮干狩りの場所になっているので、ご配慮をお願いします。
探検に行く場合は、島の情報を収集して、できれば島の人に案内してもらった方が良いと思われます。
自力で行く場合は、一周道路から歩いて行くことをお勧めします。
一周道路からビーチまでの道は狭くすれ違い不能で、雨が降るとぬかるんで立ち往生の可能性もあります。
人の出入りが増えると海岸は傷んで行きます。
行かれる方はくれぐれも慎重に探検してください。(2023.01.14)
フカボリ

フカボリシャコガイ01



<伊良部の洞窟>
伊良部島にはアブと呼ばれる洞窟があちこちにあります。
牧山の近くの前里添にある洞窟群は宮古島市の史跡に指定されています。
いずれも石灰岩が長年の雨などで溶けたのち、一部が崩落してできた洞窟です。
そんな成り立ちのせいか縦穴の洞窟が多く、入るのは非常に危険です。
そんな洞窟の中でヌドクビアブは比較的安全に入れることもあって、伊良部大橋が架かると訪れる人が激増しました。
パワースポット巡りのツアーでも訪れるようです。
ところが、この洞窟は島の人にはあまり知られていません。
佐和田の集落に住む60歳代のむかしのシェイネンも、昨年はじめて訪れたそうです。
島の人に有名なのは、牧山の陣地壕、池間添の大竹中洞窟です。
牧山陣地壕は戦時中に掘られた手彫りのトンネルで戦争遺跡に指定されています。
大竹中洞窟も宮古島市の天然記念物になっています。
いずれも昔、小学校の遠足で訪れた場所です。
小学校の遠足で訪れるくらいなら、充分安全と思う方もいるかも知れませんが、牧山陣地壕は崩落の危険があるため入口が網で塞がれました。
大竹中洞窟も昨年10月に行ってみると、ルートには木が生い茂り、倒木もあってちょっと危ない場所もありました。
最近は観光客も増えてあっちこっち立入禁止になっているようですが、大竹中洞窟もそのうち封鎖されるかもしれません。
興味のある方は今のうちに行ってみる事をおすすめします。
滑ると危険なので、地面が乾いた時期に行ってみてください。
歩きやすい靴を持って行くことは必須です。(2023.01.22)
伊良部の洞窟


【大竹中洞窟についての情報はこちらから】



<スズメダイ>
伊良部島・下地島の海では色鮮やかな様々なトロピカルフィッシュを見る事ができます。
クマノミについで、名前が挙がるのがスズメダイの仲間です。
名前そのまんまのスズメダイは煮つけで美味しい釣りのターゲットですが、ビーチではデバスズメダイ、ミスジリュウキュウスズメダイ、ロクセンスズメダイなどが人気です。
その中で一番人気はルリスズメダイです。
浅瀬の枝サンゴなどの周りや岩サンゴの上などに数十匹で群れています。
太陽の光が届くところにいるので、透明な海の中で深い緑や茶色のサンゴを背景にコバルトブルーの姿を煌めかせる姿はこの上もない美しさです。
縦じまのミスジリュウキュウスズメダイもはずせません。
リゾートホテルの受付カウンターなどの水槽では必ずといってよいほど、見る事が出来ます。
シュノーケリングでは珍しい生物や大きな魚を探す人が多いようですが、スズメダイの仲間こそ、昔からの代表的なトロピカルフィッシュといえるでしょう。
ビーチに来るとつい沖に向ってパシャパシャ行きがちですが、浅瀬の小型の生物との出会いも楽しいものです。
スズメダイの仲間は引き潮の潮だまりで見る事もできるので、泳げない方や小さなお子さんでも足をちょっと浸けるだけで見る事ができます。
海に入るにはちょっと寒い日でも見る事が出来るので、是非ビーチにお出かけください。(2023.01.26)
スズメダイ01

スズメダイ02



<プゥル2>
伊良部島の方言はフランス語の発音に似ているといわれています。
そんな事もあって、発音を言葉で表すのは難しいといわれています。
普段つかない文字に濁点「゛」や、半濁点「゜」が付いたりする表記が見られます。
伊良部島・下地島の地名も昔からの方言で呼ばれている場所がたくさんあって、文字で書いたり、発音するのが難しいものがたくさんあります。
下地島の西海岸のプゥルもそんな地名で、発音も微妙なので、耳で聞いたらそう聞こえないかもしれません。
実際、伊良部支所にあった「地名のあらまし」という地図には、カタカナで「ボリ゜」と表記されているので、実際の発音は「ぶ“ぉるぃ」が近いのでしょうか。
大潮の潮干狩りや釣りで島の人が出入りしますが、普段人影はありません。
極まれに一部のガイドが案内しているようですが、一周道路から離れていることもあってか、まだ隠れビーチにちかい存在です。
そんな訳でプゥルには、まだ標準語での名前は付いていないようです。
潮干狩りなどで島の海に詳しい、まるよしのスタッフに案内された常連さんのお気に入りの場所になっていて、密かに出入りしているようです。
まるよしを訪れたあなたも、機会が有ったら案内してもらってください。
あまり人の手がはいっていない、昔の伊良部島の海に出会えるかもしれません。
ただし訪れた際には、島の人の生活を乱さないように、そして残っている自然の景観を傷付けないように万全の注意をはらってください。(2023.01.30)
プゥル2



<ミツボシクロスズメダイ>
伊良部島・下地島を代表するシュノーケルポイントの中の島海岸で、ビーチの人々の会話に耳を澄ますと、聞こえてくるのは「ニモ」のに文字です。
今更ですが、「ニモ」とはアニメ映画で有名になったカクレクマノミの事です。
厳密にいうと日本で見られるカクレクマノミとは違うそうですが、細かいことはともかく「ニモ」「ニモ」との声が聞こえてきます。
中の島でもシュノーケルのガイドが必ずカクレクマノミがいるイソギンチャクに案内します。
中の島では昔からのガイドが、「日本で見られるクマノミは6種類ですが、ここでは4種類のクマノミを見る事ができます」と映画がヒットするずっと前から案内をしていましたが、伊良部大橋が架かると新規参入のガイドもそのフレーズを真似ているようです。
そんな訳で4種類のクマノミを求めて、シュノーケルを始める事になりますが、この言葉をスズメダイが聞いたら「ちょっと待った」と言うに違いありません。
スズメダイはあんなに綺麗なのにまるでクマノミのわき役のようです。
私たちもこんなに綺麗で可愛いから見て頂戴ね、と思っているに違いありません。
スズメダイは種類も多く、実はクマノミもスズメダイの仲間だそうです。
最近調べて見て名前を覚えたばかりですが、人気はブルーが眩しいデバスズメダイ、ルリスズメダイやスッキリ系のリュウキュウミスジスズメダイなどです。
クマノミを探しに行くと必ずと言っていいほど、同じイソギンチャクに隠れているスズメダイがいます。
黒字に白の水玉のシックな色遣いのミツボシクロスズメダイです。
クマノミ探検に行く時は、是非ミツボシクロスズメダイにも注目してください。
いまのところ認知度は低いようですが、そのうちクマノミを押しのけて主役になるかもしれません。(2023.02.03)
ミツボシクロスズメダイ



<コウノトリ2023>
例年2月は北よりの風が強く体感の寒い日が続きますが、今年の2月はじめは太陽が顔を出す日も少なく、より寒く感じました。
そんな寒い日々がようやく暖かくなった2月7日、暖かさに誘われて佐和田の浜に行くと、浜の近くにコウノトリがいました。
てぃだの郷の向かいの展望スペースのこんなに近くで遭遇するのは珍しいことです。
コウノトリも伊良部島の人に慣れてきたのか、警戒心が少なくなったのでしょうか。
よく見るとちょっと向こうにもう一羽います。
近くでコウノトリを見ていた人たちに聞くと、このコウノトリたちは2020年の12月にやってきた「清流」と「みこと」だそうです。
どうやって見分けるのかはさっぱりわかりませんが、2018年に一番初めに来たもう1羽のコウタは見当たりません。
3角関係はついに決着したのでしょうか。
佐和田の浜は伊良部島を訪れた人が必ず一度は訪れる観光スポットです。
津波石が主役の観光地ですが、訪れた際はコウノトリがいるかなと思って津波石の間にも目を凝らしてみてください。
幸せを呼ぶコウノトリに出会って、お裾分けをもらえるかもしれません。(2023.02.27)
コウノトリ202302

コウノトリ20230208



<花と蝶>
まだ気温が上がらない2月は草も勢いが無く、夏には草で覆い隠される歩道もちゃんと歩けます。
歩道は歩くための道ですが、伊良部島ではいつもちゃんと歩ける訳ではありません。
草刈をしない時期は、両側から草が攻めてきて、歩道の存在さえ解からない時もあります。
そんな時期はビーチに続く道や山の中の道は通行不能に近い状態になりますが、この時期は比較的楽に歩ける季節です。
こんな時、久々にキドマリの浜に行ってみると、通り池の入り口から浜に続く道もまあまあ順調に歩けます。
浜まではだいたい200mほどありますが、タイヤの後が残る道の真ん中には紫色の小さな可憐な花を咲かす、名も知らぬ草が生い茂っています。
入る車もほとんど無いためか、背丈まではいきませんが腰のたかさまで伸びています。
その花には蝶々が蜜を目当てに留まっています。
人が歩くとキドマリの浜までまるで道案内をするように蝶々が飛び交います。
今回はオオゴマダラなど3種類の蝶に出会えました。
伊良部島にはやはり海の観光がメインで来られる方が多いと思いますが、寒い季節に訪れた方は、マリンレジャー花盛りの季節では入りづらい場所も散策が出来ます。
そんな時期に来られた方は、その時しか歩けない道で春の足跡を感じて新しい伊良部島の魅力を感じてください。(2023.03.15)
キドマリの道


オオゴマダラ



<クマゼミ2>
昨年は天候不順で雨が多く、5月は太陽も顔を出さない日が続きました。
たまに晴れても、長続きせずにセミの声も元気がありません。
ところが6月20日過ぎに梅雨が明けると、今度は日照りが続きます。
そこで一斉にクマゼミがシャーシャー鳴き始めました。
いままでのうっ憤を晴らすように、うるさいぐらいの合唱がはじまりました。
クマゼミは午前中に鳴くことが多いようで、お昼時の暑い時間にはあまりシャーシャーと聞こえてきません。
暑い時はさすがに疲れるのか、センダンなどの木に留まって、食事や休憩をしているようです。
そんな時に下地島のビーチへと続く細い道を歩くと、足音に驚いたのか、無数のクマゼミが叫び声のような鳴き声と共に一斉に飛びたちます。
クマゼミも驚いて飛び立つのかと思いますが、逆にこちらがビックリしてしまうほどの数です。
メスは鳴かないとのことなので、実際は100以上のセミが飛んだのかもしれません。
こんな話を聞くと、「なんと大げさな」と思われる方もいると思います。
そんな方は今年の夏の昼過ぎに、下地島の山に入って真偽を確かめて見てください。
そんな事を思うのと同時に、今年は天候が安定することを願っています。(2023.03.23)



<アザミ>
1月の終わりから2月にかけての伊良部島は一年の中で一番寒い季節です。
気温がそれなりにあっても北や東よりの風が強いこの季節は、体感では気温よりずっと寒く感じます。
この季節は咲く花も少なく、蚊やホタルなどともほとんど遭遇しません。
もっとも2月でも暖かい日は半袖で十分オーケーで、そんな日が2,3日続くと、枕もとでブーンと蚊の羽音がしたと思ったら足が痒かった事もあります。
こんな季節、海岸に行くと目立つのがアザミの花です。
アザミはいつが旬なのかは知りませんが、花の少ない季節ではアザミのピンクはよく目立ちます。
海水浴などマリンレジャーには寒い季節ですが、是非この時期でもビーチへ続く道を散策してみてください。
まだ草が伸びないこの季節は道も比較的歩きやすく、オッパマやプゥルなど観光の季節でも人がほとんど行かないビーチへの道は冒険感覚で散策できます。
モンパの花や道案内するような蝶など、アザミだけでなく夏真っ盛りでは出会えない景色を探してみてください。(2023.03.27)
アザミ

モンパノキ花



<サシバの留鳥2>
近年渡りの数は減りましたが、伊良部島の秋の風物詩はサシバの渡りです。
毎年、10月8日の寒露の頃から2,3週間が渡りの季節です。
こちらではタカと呼ばれるサシバの渡りを目当てに伊良部島を訪れる人もいます。
このころに北から東南アジアを目指して渡ってくるサシバですが、体力の限界で経由地の伊良部島に住み着いて、春の北への渡りを待つ鳥もいます。
一年中伊良部島にいる鳥を留鳥というそうですが、この鳥もサシバの留鳥と言うのでしょうか?
そんな訳で今は渡りの季節ではありませんが、サシバと遭遇する事があります。
下地島のゴルフ場付近や国仲橋からたいこばしへ向かう下地島の一周道路付近でよく見かけます。
「伊良部町」が1990年(平成2年)に発行した「いらぶの自然」という本によると、越冬するサシバは朝の6時30分ごろから7時ころにかけて自分のエサ場にでてきて、近くの電線や木などにとまって獲物を狙うそうです。
畑の近くをエサ場とするサシバはバッタやネズミを、森をエサ場にするサシバはトカゲ、カエルやヘビを捕まえるという事です。
エサを捕るのは午前9時から午後1時頃の間が多いそうなので、興味のある方は是非観察してみてください。
渡りの季節に見られる壮大な鷹柱は見られなくても、季節外れにサシバと遭遇した方はラッキーと思ってください。
ただし、ここ数年前から住んでいるコウノトリのように、幸せを運ぶと言う話は聞いた事はありません。(2023.04.20)
サシバの留鳥2



<皇帝ヒマワリ>
宮古島・伊良部島の風物詩に夏のヒマワリがあります。
例年6月から8月にかけて、サトウキビ畑の一角や広大な区画整理された畑一面に登場します。
こうした畑のヒマワリは肥料用のヒマワリです。
夏植えのサトウキビが植えられる前に畑に鋤きこまれ、キビの栄養になります。
その時期のヒマワリは伊良部島の風物詩として、訪れた人たちのフォトスポットになっています。
ヒマワリの花が盛りの時に来られなかった方も、似たような花に出会えます。
それはニトベギクの花です。ヒマワリに負けない存在感があります。
ニトベギクは別名「皇帝ヒマワリ」と言われるので、当然の迫力かもしれません。
原産地はメキシコなどの中央アメリカ産とのことなので、もともと日本にあった花ではないようです。
名前の由来を調べて見ると、「旧五千円札でかつてはなじみ深かった新渡戸稲造氏が初めて日本に持ち込んだことに因む」との事なので、これからこの花を見ると5千円を思い浮かべる人もいるかもしれません。
主に植物園などで見られるようですが、沖縄では自生しています。
開花時期は5月と11月と言われていますが、伊良部島でも島を巡ると一年を通して出会えるようです。
ちょっと見はマリーゴールドみたいですが、良く見ると花びらは長く、やっぱりヒマワリの花です。
花の大きさは15cmほどにもなります。
ヒマワリを見逃した方は島を散策してニトベギクにも出会ってください。
ちなみにニトベギクの葉のお茶は沖縄の特産品になっていて、糖尿病をはじめ癌、肝炎などに効くそうなので、見つけた方は試してみてください。
ただし宮古島・伊良部島に売っているかは不明です。(2023.05.26)
ニトベギク



<ミノカサゴ2>
伊良部島の海に潜って見逃せない魚の一つがミノカサゴです。
大きなヒレで優雅に泳ぐ姿は羽根を広げた美しい孔雀のようです。
夜行性なので昼はあまり活動しないようですが、日中にサンゴの陰でユラユラしているのを見かけます。
大きなヒレは胸鰭だそうで、英語ではライオンフィッシュと呼ぶそうです。
ヒレがライオンのたてがみに見える事からそう呼ばれるとの説もあるようですが、ヒレを広げた姿はリオのカーニバルの被り物を連想させます。
リオのカーニバルのダンサーの様な激しい動きはしませんが、波の音楽に合わせて体を揺らしているように見えます。
海に潜った際は、サンゴの陰を覗いてみてください。
思わぬ美男美女に出会えるかもしれません。
美しい物には棘があると言いますが、ミノカサゴも美しい容姿の他に毒を持っている事でも有名です。
ミノカサゴはウミヘビやハブクラゲなどと並んで、海の中の危険な生物に入っています。
いくらカーニバルの美男美女に似ているからと言って、手を出してはいけません。(2023.06.07)
ミノカサゴ



<オカヤドカリ2>
梅雨明け間近の伊良部島ですが、梅雨が明けると夜のお散歩の季節になってきます。
この頃の伊良部島の日の入りは19時30分前後なので、暗くなるのは20時過ぎからです。
晴れていれば星空はもちろん、天気が微妙でもホタルやオカガニや運がよければヤシガニにも出会えることがあります。
ヤエヤマオオコウモリのバサバサという羽音にビックリする事もあります。
懐中電灯を持ってオカガニの道や星空の道やホタルの道を歩くとその他にもオカヤドカリに出会う事もあります。
もっともオカヤドカリには昼間ビーチへ向かう細道の近くでも出会えます。
道を歩いている時、ガサゴソ音がしたらアダンの間を捜してみてください。
ヤドカリに混じって巨大なオカヤドカリが這っているときがあります。
オカヤドカリは国の天然記念物になっている貴重な生物です。
サザエやアフリカマイマイの殻に入っています。
まるよしにお泊りの方は是非近くを探検して天然記念物に遭遇してみてください。
この辺の事情に興味の有る方は「夜の伊良部島を探検しよう」をご参照ください。(2023.06.19)
夜のオカヤドカリ

夜のオカヤドカリ02


【「夜の伊良部島を探検しよう」はこちらから】



<クモガイ2023>
伊良部島・下地島で一番人気のシュノーケリングスポットは中の島海岸です。
伊良部大橋が開通すると観光客がどどっと押し寄せました。
結果、引き潮時に背の立つ場所は踏み荒らされ、ハマクマノミがたくさん居たクマノミ団地は姿を消しました。
サンゴも踏み荒らされて浅瀬のスズメダイも数を減らしました。
もう壊滅も時間の問題かと嘆いていた人も居たようですが、コロナで国内・国外からの観光客が減った事もあって、最近はちょっと持ち直しているようです。
そんなこの頃、浅瀬のサンゴのガレ場にクモガイをチョコチョコ見かけます。
人気の出る前は、目を凝らすと必ずといっていいほど見つけられたクモガイ。
そんなクモガイはスイジガイ同様、魔除けになると言われていて、家の玄関付近に置かれたり、吊り下げられています。
中の島を訪れたあなたも、是非クモガイを探してみてください。
見るだけでも魔除けのお裾分けになるかもしれません。
興味のある方は写真を見て、こんな場所を探してみてください。(2023.07.17)
クモガイ



<オカガニの道>
手前味噌になりますが、まるよしの公式ブログの「伊良部を歩く旅」の夜のお散歩コースに「ホタルの道」「オカガニの道」「星空の道」の記事があります。
ところが最近、その中の「オカガニの道」に黄色信号が灯りました。
伊良部大橋が開通して車の数は爆発的に増えましたが、その当時伊良部島にはまだ宿泊施設は少なく、夜になると交通量は減っていきました。
そんな事もあって伊良部大橋開通後数年間は、オカガニの出没状況もそんなに変化はなかったように思えます。
しかし伊良部島の宿泊施設も増えてきて、徐々に夜の交通量が増えていきます。
オカガニの事を知らない地元以外のレンタカーも増えてきて夜でも飛ばします。
池間島のように「オカガニ注意」の看板が無い伊良部島では、結果、道にはぺしゃんこになった亡骸が数多く見られるようになります。
更に追い討ちをかけるように、下地島空港に定期便が就航してコンスタントに伊良部島に観光客が来るようになると、ホタルの道の沿線も開発されて更地になる場所が増えてきています。
これはまさしくオカガニの生息地そのものが減っていくことになります。
今後どうなっていくのかわかりませんが、当然のようにあったものが少なくなっていくのは悲しい限りです。
人の生活との共存は難しいと思いますが、何か対策は無いものでしょうか。(2023.07.21)
オカガニの道

オカガニ注意看板



<天候不順>
昨年、伊良部島では例年とは違う自然現象が多発して何か大変な事が起きると一部で心配されていました。
春にはデイゴの花がいつになく咲き乱れ、サトウキビの収穫時には雨が続いて畑は水浸しで収穫は大きく遅れました。
海岸線にはひときわアダンの花が目立ちました。
これらは一例ですが、このようなことから、まるよし周辺でも「今年は大きな台風が来るぞ」と囁かれました。
そんな中、小笠原近海で発生した台風11号(ヒンナムノー)は先島諸島の南でUターンするという複雑な進路をとったあげく、9月3日に宮古島、石垣島などの南西諸島を直撃しました。
その一週間後には台風12号(ムイファー)が襲いました。
その後も立て続けに発生した台風のため、9月に宮古島旅行を考えていた人は、キャンセルを余儀なくされました。
大きな被害が出る事は避けられたものの、恐れていた通り天候は不順続きで10月も例年より晴れの日が少なかったように感じました。
今の時代は科学が発達して詳細な予想や情報が入りますが、昔は、詳しい情報も無く経験で判断したものです。
9月に台風が多いのはあたり前という人もいるかと思いますが、色々な自然現象は何か意味があるように感じます。
自然現象と台風直撃との関係は科学的に証明されていないようですが、心の中で準備をすることが大事と思われると同時に、今年は天候が安定することを祈っています。
と思っていたら、5月にはスーパー台風に成長した季節外れの台風2号(マーワー)が発生から10日以上もかけてゆっくりと宮古島に接近しました。
超低速の為、大きな被害が心配されましたが、幸い人的被害は出なかったようです。
しかし伊良部島では葉たばこなどこの時期の農作物に被害出たとの報道がありました。
被害にあわれた方にお見舞いを申しあげると同時に、天候が安定することを引き続き願っています。
その後、例年になく安定した天気が一月余り続きましたが、現在は大型で非常に強い台風5号(トスクリ)が接近中です。
台風に備えると共に、今回も被害が少ない事を願っています。(2023.07.25)



<キンチャクダイ>
伊良部島観光の人気メニューからはずせないのがシュノーケリングです。
いちばん人気のスポットは多くのガイドブックに紹介されている中の島海岸です。
観光客の一番のお目当てはカクレクマノミです。
その他にも人気の魚はたくさんいますが、やっぱり綺麗な色や派手な模様の魚の人気が高いようです。
そんななかで独特な雰囲気をだしているのが、蛍光色のキンチャクダイの仲間です。
中の島ではサザナミヤッコ、タテジマキンチャクダイ、ニシキヤッコなどに出会えます。
可愛い動きをするクマノミ、スズメダイなどはお子様向けと言えそうですが、キンチャクダイの仲間は蛍光の模様がアダルトな感じです。
まるで飲み屋のネオンサインに誘われているようです。
昼間のシュノーケルでキンチャクダイに出会ってアダルトな気分になったあなた、勢いに任せてイーザトで羽目をはずさないようにお気をつけください。(2023.08.02)
サザナミヤッコ

タテジマキンチャクダイ

ニシキヤッコ



<ゴマモンガラの昼寝>
下地島の西海岸には色々なビーチがあります。
有名なのは中の島ビーチですが、それぞれの浜に色々な特色があって、色々な日常があるようです。
17エンドの反対側の浜は、最近では35エンド(サンゴエンド)と呼ばれる事が多くなりましたが、ビーチへのアプローチも良いため、シーズンには必ず何台か車が停車しています。
そんなピサピシと呼ばれる平らなリーフに続く浜に久々に入ってみると、深みのサンゴを枕にしてゴマモンガラが昼寝をしていました。
目を半眼にして、うつらうつらしているように見えます。
普段は厳しい眼光で、怖い顔でガツガツとサンゴをかじっていて、ちょっと引いてしまいますが、こんなゆるい姿には癒されます。
子育て中は特に攻撃的になるので、近づかない方が良いと思いますが、「こんな顔もするんだ」と思わずこちらの表情も緩みます。
中の島の隣のアッタバサマでは、フグがサンゴの上にうつ伏せになって、これも昼寝をしていました。
顔つきと体型から、いかにも惰眠をむさぼっているようで、思わずこちらもホッコリしてしまいます。
シュノーケルで海に入るとついつい見栄えの良い綺麗で派手な魚や、「ニモ」と呼ばれる事が一般的になって名前の知られたクマノミなどに目が行きがちです。
それらの魚を追いかけてあちこち動き回るのも楽しいですが、同じ場所でゆっくり海の中を観察してみてはいかがですか。
特別な生き物に出会えなくても、100%に近い割合でホンソメワケベラに身体についた寄生虫を食べさせてうっとり顔の魚にも出会えます。
有名なビーチに行かなくても、それぞれのビーチで色々な生き物の日常生活が繰り広げられています。
魚に表情があるのかどうかは知りませんが、じっくり海に漂っているとまるで喜怒哀楽があるような魚の日常を感じることができます。
何気なく見ている魚の、普段見られない日常に触れ合えて、海の中の世界の楽しさが増すと同時に心がホッコリすること請け合いです。(2023.08.10)
ゴマモンガラの昼寝

フグの昼寝

ホンソメワケベラ



<キンバト>
下地島の西海岸、プゥルへと続く300mほどの未舗装道路。
地元の釣り人や潮干狩りの人や、マリンレジャーの案内人など土地勘があって慣れている人は車で出入りをしていますが、レンタカーで移動する観光客の方は歩くことをお勧めします。
道路は未舗装で細いため木の枝で車に傷を付けたり、水たまりで立ち往生する可能もあります。
何より、車で行くと周りの光景に集中できません。
しかし、この道をゆっくり歩くと色々な景色が見えてきます。
「ここらあたりの左手にヤシガニが集合するという池があるのか」とか「夏にクマゼミが集合するのはここらあたりか」とか思い浮かべながら歩くとワクワクします。
ジッとしていると急に動き出すたくさんのヤドカリ、道案内するようなチョウチョウたちやサザエの殻を背負った天然記念物のオカヤドカリなどに出会う事もあります。
海岸が近づくと海浜植生と呼ばれる独特の植物群を見る事も出来ます。
そんななか最近、美しいハトに何回か出会いました。
普通のハトよりちょっと小振りで、「つがい」なのか2羽で道沿いにいました。
調べて見るとそのハトはキンバトらしいという事がわかりました。
キンバトは光沢のある美しい羽根を持つハトで、国の天然記念物になっています。
宮古島の大野山林にいるということでしたが、下地島にもいる事になります。
伊良部島の仲地橋の近くの入り江で見たという人もいます。
プゥルでは友人と一緒に行った時も遭遇しました。
友人もキンバトだと言っていたので間違いないと思いますが、写真に撮れなかったせいか何かスッキリしない思いも残っています。
そんな訳で、その鳥がホントにキンバトなのかは今現在不明です。
キンバトに興味のある方はプゥルへ行く小道を是非散策してみてください。
そして美しいキンバトの姿を写真に納めてください。(2023.09.15)
キンバトオカヤドカリ



<スーキ>
伊良部島・下地島のビーチはマリンスポーツで人気です。
一周道路からビーチまでの間の道は、それぞれのビーチによって微妙に景観が違いますが、南国特有の植物の間を歩くことになります。
伊良部島・下地島の人気のビーチでは砂浜から見ると、グンバイヒルガオなどのつる性の植物からモンパノキや、アダン、モクマオウやギンネムなどとだんだん背丈が高くなって行きます。
そんな訳でビーチを目指して歩いて行くと砂浜に出る手前で必ず見かけるのがモンパノキやクサトベラです。
そう言われても、ぱっと見ではどの木がどれなのかわかりませんが、良く見るとこれはこれとわかるようになります。
わかるとまた楽しくなって、より興味を持ちます。
それらの木は伊良部島ではスーキと呼ばれています。
漢字では「潮木」と書く宮古島の方言で、海岸に生えている木々全般の事を言うようです。
そう言えば潮を吹き上げる事で有名な西海岸の「スーフツミー」も漢字で書くと潮吹目です。
いまはネットで調べてハイ終わりという風潮ですが、実際に海岸で実物をみて「このつるつるした葉の木がテリハクサトベラか」とか、「葉に銀色の細かい毛がはえているのがモンパノキか」「むかしはこの木で水中眼鏡の枠を作ったんだ」とか、区別がつくとハイ終わりではなくちゃんと覚えてしまいます。
ちなみにモンパとはビロードの事だそうです。
ビーチではついつい海に眼が行きがちですが、海岸の植物にも目を向けて見てください。
ビーチの楽しみが増すことは確実です。(2023.10.17)
海浜植生

モンパノキ



<トッパマ>
中の島海岸で有名な下地島ですが、そのほかにも沢山のビーチがあります。
ガイドブックには載っていないので、一般的には何処にあるのかもわかりません。
俗にいう隠れビーチですが、そんなビーチは入り口が解りづらかったり、浜まで歩く距離が長かったりでアクセスに苦労することがあります。
でもアクセスが大変な分、ビーチは静かで人混みが苦手な人などにはお勧めです。
その中にも比較的アクセスしやすいビーチもあります。
そんなビーチの一つがトッパマです。
小さな浜でリーフが遠いので、波や風の影響を受ける事が多いですが、高気圧の真っただ中にいるときや、北寄りの風が吹くときは穏やかになってねらい目です。
海に入るとすぐにサンゴの岩場があって、色々な魚にすぐ出会えます。
イソギンチャクの中にはニモで人気のカクレクマノミ、潮溜まりには青がまぶしいルリスズメダイも待っています。
このビーチは地元のマリンアクテビティの業者さんや、釣り人もたまに訪れるビーチです。
伊良部島・下地島には個性豊かなビーチが数多くあります。
そんなビーチを探検するのも楽しいかもしれません。
そして、あなたのお気に入りのビーチを見つけてください。
ただし人があまり入っていないこともあり、いざという時はリスクが高い事も頭に入れる必要があります。
できれば事前に島の人から情報を集めてからお出かけください。(2023.10.25)
トッパマ





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